3/16 ニュースなスペイン語 'Cara a cara'(2):直接対決(2)
昨日の続報。
細かいことだが、「国会対決」としていたタイトルを「直接対決」に訂正した。
テレビ討論会などでも同様の表現は使うので、国会に限定するのはいかがなものか、と思い直した次第…。
現在、開会中の国会で、スペイン社会労働党(PSOE)総裁のペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)と国民党(PP)党首のアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)との間で激しい論戦が繰り広げられている。
昨日紹介したように、サンチェスはイサベル・ディアス・アジュソ(Isabel Díaz Ayuso)マドリード州知事のパートナーの脱税疑惑に触れ、フェイホにアジューソの知事辞任を求めたり、フェイホ自身の黒歴史をつまびらかにして猛烈に批判した。
今回はフェイホからサンチェスに対する反論を見ておこう。
まず、フェイホはアジュソのパートナーであるアルベルト・ゴンサレス(Alberto González)の脱税疑惑については言及を避けた(Feijóo ha eludido hablar sobre el supuesto fraude de la pareja de Ayuso)。
売られたケンカは買うーー。
こんな男気(?)は論戦では無意味で、サンチェスの挑発に乗って、同じ土俵に立とうものなら、サンチェスの雄弁に足をすくわれ、余計なことを口走って、自身の政治生命にかかわることもあろう。
弁の立つサンチェスの前では、まぁ、スネの傷を自らさらけ出すことはしない方が賢明だ。
フェイホは照準を、当たり前だが、「コルド案件(caso Koldo)」に絞り、次のように迫った。
あなたはもう少し言葉遣いに慎重になった方が良いんじゃないですか?風通しを良くすれば、あなたの失望が一層確実なものになるはず。なぜなら、あなたの政府とあなた自身に捜査のメスが入ることが、火を見るより明らかになるから(¿No puede ser usted un poco más prudente? Cuanto más enciende el ventilador, más acredita su desesperación y queda más claro que nada que se investiga a su gobierno y a usted)。
コルド案件について、サンチェスの多くを語らない態度を、共犯者のような沈黙(silencio cómplice)と批判。
さらに、サンチェスしか答えられないことがあるのに、まだ、答えていない(No ha respondido lo que solo usted puede contestar)として、自ら進んで(voluntariamente)説明するよう要求した。
コルド案件を経済的な汚職(corrupción económica)、そして、昨日、下院を通過した恩赦法(ley de amnistía)を政治的な汚職(corrupción política)と呼び、サンチェス政権は、将来、ふたつの汚職が引き金になって倒れる(Su futuro está amenazado por la corrupción)とした。
最後に、
この汚職がいったいどんな結末なのかを教えていただきたい(Díganos hasta dónde puede llegar esta trama)
と迫り、閉めた。
フェイホの答弁はサンチェス程は面白みはないが、標的がコルド案件という攻めやすい題材だったこともあり、まぁ、野党の党首としての存在感は示せたかも。
写真はフェイホ(左)とサンチェス。