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9/11 ニュースなスペイン語 Instituto de Cervantes:セルバンテス文化センター

セルバンテス文化センターは44ヶ国に87の拠点(centro)があり、スペイン語とスペイン語圏の文化普及を行っている。

総本山はスペインのマドリードにあり、日本にも2007年から東京都千代田区に支部が開館した。

さて、そのセルバンテス文化センターが中国上海市(Shanghái)に拠点を構えることが、スペイン外務省と中国文化省によって9日、合意された。

2006年に設置された北京(Pekín)セルバンテス文化センター(以下の写真)に引き続き2ヶ所目となった上海支部は昨日、開校した(abre)。

今回の新たなセンターの設置には、中国でのスペイン語人気が目に見えて増加している(Crecimiento exponencial del español)という背景があるのは明らか。

中国の多くの若者は、スペイン語圏のスポーツ、映画、音楽などの文化への関心からスペイン語を学習しているが(Son muchos los jóvenes que se acercan al español por afinidad cultural -deporte, cine, música-)、その一方で高い就職率にも魅力を感じている(destacan también su excelente empleabilidad)という。

中国では第二外国語としての人気は英語に次いで、堂々の第2位。

スペイン語の授業を提供している大学の数は、2000年にはわずか15校しか無かったが、2010年には46校、2023年には106校にまで達していて、年々増加している(El número de universidades con oferta de español no ha cesado de aumentar cada año)ことが分かる。

しかも、大学からでなく、もっと早期の初等教育(educación primaria)や中等教育(secundaria)でも、スペイン語は第二外国語としての地位を不動のものとし、優秀な学習者を輩出することになりそう。

国が定めた教育機関(centros de enseñanza reglada)で学習しているだけでも6万人はいるので、語学学校(academias)や学習アプリ(aplicaciones)などの正規の課程に組み込まれない(no reglada)学習方法で学んでいる人ーーその数の公式発表はない(no ha podido aún ser cuantificada de forma oficial)らしいーーを考慮に入れれば相当な人数になる。

この度、開校した上海支部の前身(germen)となったのは、2007年に開館したミゲル・デ・セルバンテス図書館(Biblioteca Miguel de Cervantes)で、1万2000冊の蔵書を擁していて、これらがそのまま上海センターにも引き継がれる。

なお、この図書館が設立されたのが、かつてのフランス租界(antigua concesión francesa)だった一帯で、当時の趣きを残すヨーロッパ建築と前衛的なデザインの共存する地域(edificios de carácter europeo y otros de diseño vanguardista)だそうだ。

建物は1200平米というから、サッカーコートの半分よりやや大きい面積で、 周辺には革命期に活躍した芸術家たちの生家を利用した美術館(algunas casas-museo de artistas del periodo revolucionario)などがあり、文化の都という感じ。

写真は式典の様子。

左から3番目のひときわ背が高い人物がペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相、その左隣りが外務大臣のホセ・マヌエル・アルバレス(José Manuel Albares)。

日本では、英語以外の第二外国語として、スペイン語人気に陰りが出ているとは思わないが、しかし、やはり、中国語は断然トップ、次に、韓国語がものすごい勢いで伸びている。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240909/espana-abre-instituto-cervantes-shanghai-segundo-china-por-pujanza-del-espanol/16241055.shtml