8/17 ニュースなスペイン語 Hacer un guiño:目配せする
Guiñoは「ウィンク」なので、hacer un guiñoは「ウィンクする」とも訳せるが、今回は「目配せする」の方が良さそう。
本日、8月17日に第15期内閣(XV Legislatura)が始動する。
これからの最大の争点は誰がこの内閣の長である首相(Presidente del Gobierno)の座を射止めるか。
いろいろなスッタモンダがあり、そのすべてを小欄で把握しているわけではないが、本日の記事によれば、スペイン社会労働党(PSOE)とスマール連合(Sumar)が率いる進歩連立(bloque progeresista)と、国民党(PP)とボックス(Vox)が率いる保守連立(bloque conservador)の議席数(つまり、首相戦での支持票数)は、共に同数で171。
内閣から首相として推薦を受けるためには過半数(mayoría absoluta)である176票を獲得しなければならない。
まさに、両者一歩も引けないつばぜり合いで、文字通り1票でも多く得た方が首相戦の勝者となる。
そんな中で大きなカギを握っているのが、まだ、どちらの連立にも支持を表明していない、カタルーニャ州の地方政党であるジュンツ(Junts)の動向。
1日の小欄でも紹介したが、同じくカタルーニャ州の地方政党であり、すでに進歩連立への支持を表明している共和主義左翼(ERC)はジュンツに対して首相戦での協力を要請した。
しかし、ジュンツは態度を固めていない。
同党は今国会(正確には「下院(Cámara Baja)」)で7議席を有す。進歩・保守両連立にとって、この7人からの支持票は喉から手が出る程欲しい。
こうした状況下で、ジュンツへの「目配せ」に動いたのが、現在、臨時首相(Presidente del Gobierno en función)であるペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)だ。
首相戦を前に、サンチェスは次のように切り出した。
スペインではスペイン語が話されているが、カタルーニャ語も、バスク語も、そして、ガリシア語も話されている。こうした言語をスペインを代表する言語として、使い、そして、知らしめる場を保証することこそが我々の責任であり、義務でもある(España habla en castellano, pero también habla en catalán, en euskera y en gallego y es nuestro deber y responsabilidad garantizar espacios de representación, de uso y de conocimiento de las lenguas)。
そして、スペインがEUの議長国である間(durante la Presidencia española de la Unión Europa)に、スペイン語以外のこれらの各自治州での公用語をEUで使えるように促進する(impulsará el uso de las lenguas cooficiales en las instituciones comunitarias)と表明したのだ。
ジュンツ以外の地方政党は、首相戦での方針は概ね固まっているので、これはジュンツ1党に対する「目配せ」とも言える。
このあからさまな目配りというか、すり寄り作戦は、しかしながら、思わぬところから非難轟々(críticas)の結果を招くのだが、この当たりのゴタゴタは稿を改めよう。
写真はウィンクするサンチェス(当然、本文の内容とは1ミリも関係ありません)。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230816/sanchez-hora-democracia-parlamentaria-carga-contra-pp-presionar-rey/2454029.shtml