12/20 ニュースなスペイン語 Palabra del año(3):今年のことば(3)
昨日の続き。
⑨ INTELIGENCIA ARTIFICIAL
「人工知能」のこと。新しい概念ではないが、近年、イラストを描く(hacer ilustraciones)、小説を書く(escribir novelas)、会話を続ける(mantener conversaciones)、プログラミングをする(programar códigos)など、その活躍がめざましいのが、エントリーの理由。
⑩ SEXDOPAJE
「通常、複数人の間で、薬物の影響下で行なわれる性行為(Actividad sexual, normalmente entre varias personas, que se practica bajo la influencia de estimulantes)」のこと。動詞形(sexdopar)やその過去分詞形(sexdopado)も派生した。
⑪ TOPAR
辞書には「出くわす、ぶつかる、角で突く」などの意味が出てくるが、今回は「establecer un tope a los precios(物価上昇に歯止めをかける)」という意味でのエントリー。もっとも、経済分野(ámbito económico)では、反意語の「destopar」と共に、すでに、一般的な用語だったらしいが、政治家やマスコミの間でも知れ渡るようになり、露出度が高まったようだ。
⑫ UCRANIANO
「ウクライナの」を意味する。露出度は①~⑪までのどの語よりも高いだろう。ちなみに、ucranio, ucraniaという地名形容詞(gentilicio)も有効(válido)だが、学術的にはエントリーされた語形の方が推奨(recomendado)される。
昨日の記事でも述べたが、小生はエントリーナンバー⑦の「gripalizar」とその派生形を「今年のことば」として推したい。
コロナとの新しい共存の形を示した語、というのが理由。
さて、本家は何を今年のことばに選ぶのか。
で、ここからは、おまけ。
「Jidequín賞」を勝手に選出してみた(カッコ内の日付は小欄の記事の公開月日):
① ARTRUISMO
「利他主義」という意味。Egoísta(利己主義)の反意語。小生はスペイン人の行動規範のひとつと思っている。移植大国スペインが成し遂げた多くの偉業(9/1, etc.)は、このartruismoがなければ、成立しない。しかし、小生が日ごろ見る記事には、あまり、この語は登場しなかったので、まぁ、本家には拾われることはないだろうな・・・。
② MACHISMO
「男性本位・男性優位」という意味で、この形容詞形「machista」もたくさん目にした。
中でも「男性優位的な暴力(violencia machista)」という語は、特に、「犠牲者(víctima)」とか「殺害(asesino)」という、残念な語と共に登場した。
12月20日現在、(元)夫や(元)パートナーによって命を落とした女性の数は、平等省(Ministerio de Igualdad)によれば、今年だけで41人。合掌。
ところで、平等省と言えば、「性的自由を保証する基本法(Ley Orgánica de garantía de la libertad sexual)」の改正によって、減刑(rebaja de condena)ラッシュが起こるという事態を引き起こした(11/17, etc.)。
その際、平等大臣イレネ・モンテロ(Irene Montero)は、裁判官らがそもそも「男性優位的」という発言をし、大きな反響を呼んだ。
また、マドリードでは男子学生が、女子学生に対して、女性蔑視的な叫び(grito machista)をしたとして、大きな問題となった(10/8, 10/9, 10/10)。
①と矛盾するが、しかし、②もスペイン人(男性)たちの根底に潜む心理かもしれない。
あと、もうひとつ。
③ MAPI
9月5日に紹介した記事だが、これがバズッた・・・。小生のSNS人生の中で初バズり。
小欄としては異例の3054回ビュー(本稿執筆時)を達成した。2位が500そこそこのビューなので、まぁ、桁外れの閲覧数だった。
どうってことない、NHKの「チコちゃんに叱られる!」の姉妹版がスペインでも始まり、本家のオマージュであることを公言している、という記事だった。
小生としては、この語が、「今年のことば」かな(MAPIは、しかし、女の子の名前なんだけど・・・)。
写真は人工知能のイメージ画像。