10/16 ニュースなスペイン語 Querellas:訴訟合戦
久々にコルド案件(caso Koldo)について。
一時期、連日のようにこの汚職事件(corrupción)の話題で持ちきりだったけど、小生も未だにその事件の全貌が分かっていない。
とりあえず、今回は、初期の頃の記事、例えば、今年の2月23日や26日あたりの小欄をご覧になっておけばオーケー(もちろん、過去の記事を見なくても良いように書くけど)。
国民党(PP)がこの度、コルド案件を巡りあるアクションを起こした。
ちなみに、この汚職案件はすでに司法(ya está judicializado)の手に渡っているので、今更、行政がああだ、こうだ、言う隙は本来はないのだが……。
一昨日、国民党は、スペイン社会労働党(PSOE)がコルド案件に関与した可能性が高いとして、同党を不正会計(financiación ilegal)、贈収賄(cohecho)、優越的地位の濫用(tráfico de influencias)の容疑で提訴したのである。
コルド案件の中心的な人物ホセ・ルイス・アバロス(José Luis Ábalos)は元運輸大臣(exministro de Transportes)で、元社会労働党の所属だったということもあり、国民党は、総裁であり、政府の長でもあるペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)がこの汚職に関与していたのではないかと信じて疑わず、司法の場でサンチェスに説明を求めている(dar explicaciones)。
国民党のこうした訴訟に対して、スペイン社会労働党は意気消沈どころか、争う気満々。
なんと、国民党党首のアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez )の首に鎌を突きつけ、その首もろとも裁判所に突き出すと警告した。
何故か?
実はフェイホがガリシア州の知事だったころから、彼の親族には公金がらみの何かとグレーな汚職のウワサがあって、そこを突いてやろうという魂胆。
だから、社会労働党はフェイホこそ説明責任を果たせと言っている。
また、社会労働党は汚職が明らかになった時の対応が国民党とは違い、一貫して、透明性を持って(con contundencia y transparencia)追求してきたと主張。
コルド案件に関与したことが濃厚となったアバロスについても、党員資格を剥奪し、罷免した(le expulsaron)という実績を強調した。
それに対して、グレーな親族を抱えるヌニェスをいまだ党首に据えている国民党は分が悪い。
しかも、国民党のこの度の訴訟が、新聞の切り抜き(con un recorte de prensa)と匿名のタレ込み(un anónimo)に基づいているとし、具体性もデータもなく、架空とは言え賄賂が誰に、どこで渡されたか、なども何も言っていない(basen su querella en "un anónimo que no ha dado ni un detalle, ni un dato, ni dice a quién, ni dónde entregó supuestamente el dinero)と社会労働党は批判した。
両党の勝敗は分からないけど、社会労働党の寝首を襲う国民党とその奇襲攻撃をかわし、見事に返り討ちにした社会労働党――。
という風に小生には見える。
なお、国民党は社会労働党に対する内閣不信任決議(moción de censura)の提出を、十分な支持が得られていない(por falta de apoyos)として見送っているが、このあたりの対応にも、国民党の覚悟の浮つきが見える。
写真は社会労働党への提訴を発表する国民党の報道官(portavoz)ボルハ・センペル(Borja Sémper)。
出典
国民党が社会労働党を提訴https://www.rtve.es/noticias/20241014/pp-querella-contra-psoe-caso-koldo-pide-pleno-monografico-corrupcion/16286381.shtml
社会労働党がフェイホを提訴すると警告
https://www.rtve.es/noticias/20241014/psoe-avisa-recurrira-a-justicia-si-feijoo-no-da-explicaciones-sobre-contratos-xunta-a-familiares/16287051.shtml