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7/11 ニュースなスペイン語 Inglés:英語
国民党(PP)党首、アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)についてあれこれググっいたら、ある記事にたどり着いた。
記事は先月1日に発出されたものなので、ニュースの鮮度としては、かなり旬が過ぎた感がある。
記事では、フェイホがある番組のインタビューの中で、「他の多くのスペイン人たちと同じように(como la mayoría de los españoles)」、自分は英語に「問題(problema)」がある、と告白した(confiesa)と書いてある。
次期首相と目されている人物がこの調子だと、国民にしてみれば、頭を抱える事態かもしれない(か、それとも、妙な親近感が沸くのかもしれない)。
フェイホは党首になる前、ガリシア州知事(Presidente de la Xunta)だったので、「私は自分のすべての執務の中でガリシア語を使ってきた。その意味で私はガリシア語とスペイン語のバイリンガルだ(He practicado y hablado gallego en todas mis actuaciones institucionales. Soy bilingüe desde ese punto de vista)」と、まぁ、当然こうなる。
で、次のようにも続ける:
だが、私にとって問題は英語だ。英語を勉強し始めなければならない。これは私にとって急務である(Pero mi problema es el inglés. Y me tengo que poner a estudiarlo, es mi obligación)
弱点を認めて、それを補強しようとする姿勢は、まぁ、良いんだけど、その一方で、次のようにも述べている(内容はママ):
国際会議は通常、翻訳家がやってくれるので、重要なことは、私が言いたいことが十分に分かってもらえること。私は世界第二位の言語を使って、自分が言いたいことを表現することに何ら問題はない(Lo importante de las cumbres internacionales, que normalmente se hacen con traductor, es que se entienda muy bien lo que quiero decir. No voy a tener ningún problema en expresarme en la segunda lengua del mundo)
この発想がある限り、英語(というか外国語は)やらないんじゃないかな。
しかも、上の言説は、そもそも、不正確。
Traductorを「翻訳家」と訳したのは意地悪。
「通訳(intérprete)」とするにこしたことはない。
それはさておき・・・。
フェイホが言う「世界第二位の言語」というのは、もちろん、「スペイン語」のことだが、記事では、以下のように訂正している:
スペイン語は世界で二番目に多く話されている言語ではありません。英語、中国語、ヒンディ語がスペイン語を凌いでいます。ただし、母国語としてならば、4億5000万人のネイティブスピーカーがいるので、中国語に次いで、世界第二位の話者数です(en referencia al español, que no es la segunda lengua más hablada del mundo –lo superan el inglés, el chino mandarín y el hindi–, pero sí se cita como la segunda lengua materna del mundo, con 450 millones de hablantes nativos, tras el chino mandarín)。
先のインタビューでフェイホが「総話者数」を言ったのか、「母語話者数」を言ったのか、その真意は分からないが、「自分が言いたいことを表現することに何ら問題はない」わけではない。
まぁ、これは英語云々の以前のこと…。
そして、
まさに先週の月曜日まで英語の講師をつける予定だったのだが、結局、総選挙が招集されてしまった(Justamente tenía ya el profesor de inglés para el lunes pasado, y resulta que me convocan elecciones)
とのこと。
だが、問題ない。努力は続けていく(Pero no pasa nada. Vamos a trabajar)ーー。
とも語ったとされ、年末あたりとささやかれていた総選挙が、大幅に前倒し(adelanto)したことは、フェイホの英語学習の障害にはならなそうだ。
写真はフェイホ。分かりやすく困っている表情をわざと選んだ。本文の内容と直接の関係ありません(が、かつて、記者会見などで、フェイホの英語レベルについて質問があったようだ。この困り顔は、その記者会見の時の模様)。