10/30 ニュースなスペイン語 No te aplaudas:自分に拍手をしてはダメだよ
27日にアストゥリアス州で開催された第41回アストゥリアス女公賞(Premios Princesa de Asturias)での1コマ。
レオノール王女(Princesa Leonor)は現在16歳。フェリペ6世(Felipe VI)の長女なので、王位継承順位は1位。フェリペ6世が退位すれば、スペインの国王となる人物だ。
スペインでは、伝統的に、そして、形式的に、歴代・現在・次期の国王には「アストゥリアス公(Príncipe de Asturias)」「アストゥリアス女公」という称号が与えられる。これは、ものすごく単純化して言うと、アストゥリアス(正確には「アストゥリアス王国」)が現在のスペインの母体のひとつとなっているからである。
前置きが長くなったが、こうしたら背景からレオノール王女はアストゥリアス女公となることから、3年前から冒頭の受賞式に参列し、受賞者に賞状や記念品を授与している。
授賞式も終わり、そして、レオノール王女自身の演説(discurso)も終わった時に、珍事(graciosa anécdota)が起きた。
レオノール王女は自分の演説を終え、拍手(aplauso)に包まれた会場の中を歩き、王室ファミリー(familia real)がいる席に戻ってきた時、経験不足(inexperiencia)からか、はたまた、緊張(nervios)からか、自分も拍手をしながら、着席した。
その時、隣にいた父親であるフェリペ6がタイトルにも上げたように
自分に拍手をしてはダメだよ(No te aplaudas a ti misma)
と耳打ちしたようだ。「ようだ」とするのは、少なくとも、小生が動画を確認する限りは、上のような声は聞こえなかった。
まぁ、状況的に、そして、レオノールの「ハッ」とした表情から、このように言ったのだろう、ということか。
未来の国王としての立ち振る舞いを正したということだろう。
セレモニーの歴史に残る(quedará para la historia de la gala)と書かれてしまった出来事は、またたく間にネット上に拡散した(correr como la espuma en las redes)。
だけど、スペイン国営放送(rtve)の記事では、この件に一言も言及がなかった。
まぁ、大した事ない珍事だから、わざわざ、国営放送で取り上げるまでのことではないかな。
ちなみに、多くの記事で、国王と娘親子のこうしたやり取りを「complicidad」と表現している(「La complicidad de Felipe con Leonor」のように)。Complicidadというのは、普通、「共犯」とか「共謀」という意味で使うので、外国人の小生にはピンと来ないが、まぁ、耳打ちするような秘密のメッセージをふたりが共有している点が、「共犯」っぽいと解釈すれば良いのかな。
写真はレオノール王女とフェリペ6世。
実は、アストゥリアス州の模範的な町を表彰するセレモニー(Pueblo Ejemplar)もあったのだが、妹のソフィア王女(Infanta Sofia)と共にレオノールが胃腸炎(gastroenteritis)となってしまったため出席が叶わなかった。
慣れない公式行事に疲れたのかも。お大事に。