6/20 ニュースなスペイン語 19J(2):6月19日(2)
14日の続報。
開票率(74%)の段階で以下に見るように、国民党(PP)は単独で過半数(mayoría)を獲得しているので、事前の世論調査(sondeo)よりも、遥かに票を獲得したことになる(社会調査センター(CIS)の調査では得票率は最大でも約38%だった)。国民党の圧勝、現職知事のフアン・マヌエル・モレーノ(Juanma Moreno)の再選が確実となりそうだ。
ちなみに、投票率(participación:「参加(率)」という意味)は57.0%だった。
一方、スペイン社会労働党(PSOE)はかつての城を取り戻すことはできなかった。現在の議席数33よりひとつ減らし32議席。惜敗。
スペイン社会労働党とは別の左派勢力(ポル・アンダルシア党やアデランテ・アンダルシア党)も軒並み票を減らした。
不気味なのが、やはり、極右政党のボックス党(Vox)の躍進だろう。現在よりも2議席多い14議席を獲得している。今後、カスティージャ・イ・レオン州に続いて、ボックス党が政権運営に関わるのか否か、そして、関わるのであれば、どの程度――。このあたりが今後の注目点のひとつ。
国民党としては、より安定した政権運営を担うために、ボックス党の議席が魅力的に見えていることだろう。
これはどのような政党の組み合わせ(bloque)が過半数を目指せるかのシミュレーションだ。選挙ではお馴染みのグラフだ。
これによれば、仮に国民党とボックス党が共闘すれば、70議席になるので、鬼に金棒状態。
一方の左派勢力は3党集まっても39議席。過半数にも満たない。
ちなみに、事前の世論調査どおり、市民党(Ciudadanos)は議会から消えそうだ。
ところで、今回の選挙でも、郵便投票(voto por correo)が活躍した。その郵便投票の投票券(papeleta)を巡って、あるデマ(bulo)がネット上に出回っているという。
デマ1:国民党の候補者であるフアン・マヌエル・モレーノの名前が投票券に出ていない!?
デマ2:ボックス党の党首サンティアゴ・アバスカル(Santiago Abascal)の名前も出ていない!?
この2つは事実だ。
デマ1については、モレーノはマラガ県から出馬してるので、他の県の投票券には名前はない。当たり前。
デマ2については、もともと、アバスカルは今回の選挙に出馬すらしていないのだから、投票券に名前が無くて、当然。
こうした事実を「これはスペイン社会労働党が勝つように(Ganaría PSOE)」仕組まれた(manipulado)投票券である、とまるっきりのデタラメに誘導しようとするのだから、質が悪い。
いくら態勢が不利なスペイン社会労働党だって、他の政党の人気候補者の名前を消した投票券を組織的に用意する程、愚かではないだろう。そんなことが、第一、民主国家を自認する国で、できる筈もない。ちょっと考えれば分かりそうなものだけど……。
下馬評の予想から始まり、討論会、そして、不謹慎だが、こうしたデマも含めて、選挙は面白い。
写真は支持者らと勝利を喜ぶフアンマ・モレーノ。モレーノは「我々は歴史を刻んだ(Hemos hecho la historia)」と述べた。