1/11 ニュースなスペイン語 Pélets de plástico:プラスチックペレット
プラスチックペレットは3〜5ミリくらいのプラスチックの粒のことで、単に「ペレット」とも呼ばれる。
上の写真では白い細かい粒がパレットだが、様々なプラスチック製品の成型のための材料として使われている。
スペイン語では、英語からの借用語である「pellet」や、そのスペイン語式表記である「pélet」の他にも、「人魚の涙(lágrimas de sirena)」という表現もある。
また、「nurdles(日本語では「ナードル」)」という呼び方もある。
さて、このプラスチックパレットがガリシア州の大西洋沿岸に大量に押し寄せていて(vertido de pélets)、環境に甚大な影響を与えている。
こうした深刻な事態を受けて、ガリシア州政府(Xunta)は一昨日、海洋汚染(contaminación marina)の警戒レベル(alerta)を2に引き上げた。
隣接するアストゥリアス州とカンタブリア州の沿岸にもペレットは到達し、9日に警戒レベルを引き上げるなど、それぞれの州で対応が急がれている。
時系列(cronología)にこれまでの経緯を見ておこう。
発端はリベリア船籍(de bandera de Liveria)のコンテナ船「トコナオ号(Toconao)」が昨年12月8日、ポルトガルの西側80キロ付近で、パレットなどが入った6つのコンテナ(contenedor)を紛失したことにある。
この紛失事故から5日後、ガリシア州西部のエスピニェイリド海岸(Praia Espiñeirido)で、ペレットの入った袋が初めて(el primer saco con pélets)見つかる。
年が明けて5日、ガリシア州政府は海洋汚染の警戒レベル1を発令。
そして、上で述べたように警戒レベルをひとつ段階引き上げたのが一昨日のこと。
隣接するアストゥリアス州とカンタブリア州にもパレットが広がり、両州も9日、海洋汚染の警戒レベルを2とした。
専門家たちによれば、ペレットは小さく、軽いので海中に漂う。そのため、波が打ち寄せるところすべてに到達する(Llegarán donde la marea los haga llegar)という厄介さがある。
しかも、このペレットには他の有毒物質が吸着しやすいので、被害が広域に広がる危険性をはらむ。
加えて、ペレットは魚卵や微生物と混同されてしまい(son confundidos)、これを食べた種が死に至ることもある(ocasionando la muerte de las especies que los ingieren)。
このように今後長期にわたり、海の環境に大きな影響(mayor impacto)を与えかねないペレットの流出事故だが、実は、事故発生の把握やその連絡の過程、また、ペレットの成分(composición)の公表などを含めた事後対応がいろいろまずかったようだ。
選挙を控えたガリシア州では、このペレット事故が政争の具に用いられているではとの声も上がっている。
海洋汚染以外でも大きな波紋を呼んでいて、当分、メディアも世間も、この一件から目を離せなくなりそうだ。
写真は、政治云々、責任の所在云々にはわき目もふらず、黙々とペレットを回収しているボランティア(voluntario)たち。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240109/asturias-pellets-nivel-2-contaminacion-marina/2470721.shtml など