2/14 ニュースなスペイン語 Cerrar filas:一丸となる
国民党(PP)の党首、アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)が、カタルーニャ独立派のリーダー、カルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)に対して、条件付きの恩赦(indulto condionado)を検討する余地があると発言したことを昨日、紹介したが、今日は、その党内での余波についてのお話。
フェイホが、国民党が今まで取ってきた政治スタンス(posición)と異なる(と解釈されるような)発言をしたことに対して、「合理的な説明がない(no hay explicación razonable)」という声が国民党本部(sede)から上がっているという。
また、フェイホの発言が、ガリシア州選挙(elecciones gallegas)を今週末に控えた時期になされたことから、「選挙運動真っ只中にあって、とんでもない大失言(Es un error garrafal en plena campaña)」という困惑の声も本部にはあるらしい。
ただ、国民党の、特に「顔」となる人物らは一様にフェイホのフォローにまわっている。
その様子をメディアは「一丸となって;団結して」と表現する。
恩赦などありえない。なぜなら、憲法に反しているから。この件については、国民党は党をあげて一貫してきた。今も、そして、これからもだ(No hay indultos, no hay amnistía. Es anticonstitucional y todo el Partido Popular ha sido, es y seguirá siendo unánime)。
あるインタビューの中でこう発言したのが、国民党の顔のひとり、バレンシア州知事カルロス・マソン(Carlos Mazón)だ。
そして、同じインタビュー内で、同党の顔のもうひとりであるイサベル・ディアス・アジュソ(Isabel Díaz Ayuso)マドリード州知事(presidenta)も、国民党の恩赦に対する政治スタンスは変わっていない(la postura del PP no ha cambiado)とした上で、
私は、フェイホ氏が訴追されているカタルーニャの独立派に対して、他の違うことをおっしゃっているのを聞いたことがない(no ha escuchado al presidente decir nada distinto al respecto de la amnistía a los encausados por el 'procés' independentista catalán)
と語ってみせた。
また、ほぼ時期を同じくして、国民党の下院担当報道官(Congreso de los Diputados)であるミゲル・テジャド(Miguel Tellado)は、別のインタビューで、フェイホ発言は故意に切り取られて報じられていて(sacadas de contexto)、これはスペイン社会労働党(PSOE)と特定のマスコミが大々的にぶち上げた(orquestada)国民党に対するネガティブキャンペーン(una campaña)の一環(firma parte)との見解を示した。
そして、
(こうしたキャンペーンは)実際にはありもしないのに、国民党とカタルーニャ独立派の間に何かつながりがあると思わせるためのものだ(para dar a entender que existe cierto contacto entre el Partido Popular y el independentismo catalán cuando no lo hay)
と述べた。
むむむ、フェイホの恩赦はいずこに。
小生なら、こういう状況には「火消しに躍起」とタイトルを付けたいところ。
どうやら、問題発言をしたフェイホにも言い分があるみたいだが、これは明日紹介しよう。
写真はインタビューに答えるアジュソ。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240212/pp-cierra-filas-feijoo-indulto-puigdemont/15966505.shtml
読者の川上さんのご指摘を受け、一部、修正しました。