11/13 ニュースなスペイン語 Frenar el cambio climático:気候変動を止めること
タイトルにはやや長いので、後半を端折ったが、全文は「気候変動を止めることで人命が救われる(Frenar el cambio climático salva vidas)」とある。
これは以下に見るように140メートル四方の巨大な垂れ幕(pancarta)に書かれている文句である。
捕鯨問題で日本も散々やり込められたグリーンピース(Greenpeace)のマドリード支部(〜 España)が11日、スペイン広場(Plaza de España)から見えるビルに設置した(despliega)垂れ幕だ。
もちろん、これは、現在、アゼルバイジャン共和国(Azerbaiyán)の首都バクー(Bakú)で開催中の第29回気候変動枠組条約締約国会議(以下、COP29)に合わせたパフォーマンスの一環。
気候変動の脅威を我々はバレンシア州で思い知らされた(El cambio climático nos ha sacudido con extrema dureza en Valencia)として、もし、断固たる決意で対処しなければ、同じことがまた起こる(y si no se actúa con firmeza, lo volverá a hacer)と主張する。
そして、
バレンシアを襲った低気圧を我々は忘れてはならない。これからは、この低下圧の前か後かで歴史は変わる。サイエンスが長年警告してきた危機的な気象状況を社会が知るために、今回の低気圧は反省材料を与えてくれる(Esta DANA, que jamás olvidaremos, tiene que suponer un antes y un después y marcar el punto de inflexión en la comprensión de la sociedad de la emergencia climática que la ciencia lleva advirtiendo años)
とも述べた。
また、化石燃料への補助金の廃止(eliminar subvención fósil)と二酸化炭素の排出量に応じて課すグリーン税の導入(establecer impuesto verde)も求めた。
バレンシア州に甚大な被害をもたらした寒冷低気圧(DANA)と世界的な気候変動の因果関係は、まだ、分からないが、その関係を強調する(subraya la relación)あたり、やはり、グリーンピースは鼻が効く。
グリーンピースは人々が何となく感じている不安や不満を形にするのが上手い。
垂れ幕のメッセージは、まぁ、共感できるものの、そのやり方がどうも鼻に付くのが環境団体のやり口(1月19日などの小欄にも、主張は分かるんだけどね…的な記事が紹介されている)。
写真は新たに発生した寒冷低気圧によって豪雨(lluvias torrenciales)に見舞われたアンダルシア州マラガ県の様子。
バレンシア州全域とマラガ県では最高位の赤警報(alerta roja)がスペイン気象台(AEMET)によって出されている。
バレアレス諸島州には上から2番目のオレンジ警報(aviso naranja)が発令されている。
バレンシアにとっては、受難の冬となりそうだ。