9/12 ニュースなスペイン語 Un falso secuestro:誘拐偽装
まず、次の動画を見てみよう。
とその前に……。ネタバラシをしておこう。
声を震わせながら、母親に自分の身代金(pagar la liberación;rescate)5万ユーロ(約700万円)を懇願する女性が出てくる。
ただ、ぜ〜んぶ、演技なのでご安心あれ。
とは言え、恐怖におののきながら、半泣きの演技は迫真モノで、誘拐犯役が喉元にナイフ(cuchillo al cuello)を当てたり、口元に血糊(sangre atificial;〜 falsa)が付いたりして、心がざわつくかもしれない。視聴は自己責任で、以下のリンク先からどうぞ。
ママ、ママ、私、誘拐されちゃったの(Mami, me secuestraron, mami…)。
我々外国人は一生使うことのないスペイン語で始まるビデオ(ネイティブだって、まぁ、そう頻発には言わないか…)。
ところで、猿ぐつわ(mordaza)って、こういう時、目の方にずらすのかしらん。あごの方に下げる方が自然な感じもするけど。
それはさておき。
このニュースは、いつも見ているスペイン国営放送(RTVE)のニュース欄に大きくは報じられていなかったので、見逃していた。
色々と不思議な事件。
事件が起きたのは今年8月、テネリフェ島(カナリアス諸島州)。
誘拐を偽造した張本人(autora)である女性と、その内縁のカップル(pareja sentimental)の男性、そして、その家族、総勢5名が逮捕されたという。
逮捕容疑は誘拐偽造(simultar el secuestro;fingir 〜)と女性の母親から身代金を騙し取った(extorsión)とされている。
逮捕された人物や身代金を搾取されてしまった母親の氏名や年齢などの素性が一切明かされてないという不可解さ。
しかも、逮捕された全員が逮捕から3日後に仮出所(libertad provisional(=保釈))している。
さらに、この母親は、過去に少なくとも3回、合計4万5000ユーロ(約640万円)を同じ手口で騙し取られているというのも、何か特異なものを感じる。
警察当局は、そうした前例(antecedentes)などの情報を掴んでおり、当初から、誘拐を偽造した女性の近辺(en el entorno más próximo)に調査(pesquisas)を絞っていて(centraron)、24時間以内に容疑者を特定していたらしい。
すでに当局は、家宅捜索(entrada y registros)も済ませ、刃物や血糊などを押収した。
日本のいわゆるオレオレ詐欺よりはるかに手がこんでいるが、ウソもバレやすい。
写真は偽装誘拐の一部。
出典は本文中の動画と同じ。