11/13 ニュースなスペイン語 Chivo expiatorio:スケープゴート
バレンシア州に甚大な被害をもたらした寒冷低気圧(DANA)の報道が連日のように一面を埋め尽くしていて、あのイニゴ・エレホン(Íñigo Errejón)の話題がすっかり水面下に潜ってしまった。
新たな寒冷低気圧が発生し、バレアレス諸島州やバレンシア州などに警報が出ているのも気になるが…。
ただ、エレホンの裁判でも何か動きがあるみたいので、ちょっと、昔(と言っても、わずか3週間くらい前)の記事を掘ってみるといろいろ出てくる。
10月28日の小欄で、エリサ・モーリア(Elisa Mouliaá)という女優に性的暴行(agresión sexual)を加えたことを理由に、国会議員辞職の意向を示したエレホンが、昨夏にバレンシア州カステジョン県で開催された音楽イベントでも、同意なきボディタッチ(tocamiento sin consentimiento)をある女性に行ったとして、告発されていたことを紹介したが、今回はそのアナーザーストーリー。
被害を受けた女性によると、わいせつ行為が明らかになった際、マス・マドリード(Más Madrid)所属のカステジョン県議長(jefa de gabinete)ロレト・アレニジャス(Loreto Arenillas(写真))が、エレホンへの告発を取りやめるように仲介に入っていた(haber mediado con la joven para evitar que cursara una denuncia contra Errejón)ことが分かった。
マス・マドリードはアレニジャスが「自ら勝手(motu propio)」に、そして、「党が知らぬ間に(espaldas del partido)」こうした仲介行為をしたことを重く見て、直ちに議員証(acta)を自ら返還し、下院議員(diputada)を辞職するように求めたが、アレニジャスはこれを拒否(negativa a dimitir)。
すると、今度はマス・マドリードがアレニジャスの党員資格を停止(cesa)した段階で、遂に執行部に対する信用を無くした(falta de confianza)として、アレニジャスは自ら職を辞した。
アレニジャスは書簡(misil)の中で、まず、「まさか自分の所属する政党で推定無罪の原則が認められないとは考えたこともなかった(Nunca pensé que podría perder la presunción de inocencia en mi propio partido)」とした。
その上で、エレホンのわいせつ行為について党には報告してあったので「党が知らぬ間に」とする見解を誤った情報(falsas)とした。
そして、自分は、党の初動対応のミス(error)を隠すためのスケープ・ゴートに仕立てあげられ、党員資格を大きく傷つけられた(vulneración grave de los estatutos)として、法廷での決着の可能性も否定しなかった(no descarta acabar en los tribunales)。
今世紀最悪の水害の裏側は、もう、シッチャカメッチャカで、マス・マドリードで発生した火事はスマール連合(Sumar)にも燃え広がっているが、ス連と連立を組んでいるスペイン社会労働党(PSOE)にも火の粉が降りかかりそう。
そして、10月31日の小欄でも紹介したように、国民党(PP)も別の火事で炎上中。
クワバラ、クワバラ・・・。
写真はカステジョン県議長アレニジャス。
出典
https://www.elmundo.es/madrid/2024/10/29/671fcf3be4d4d8f2598b45aa.html