1/18 ニュースなスペイン語 Tenebrio molitor:ミールワーム
今回は虫のお話で、下の方に、主役の「ミールワーム」の写真が出てくるので、虫恐怖症(insectofobia)の方は自己責任でお願いします。
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さてさて、ミールワームは、一般には(comúnmente)、「gusano de harina」と呼ばれていて、家畜の飼料(alimentación animal)に活用される。
これは現在流通しているエサに良質なタンパク質(de alta calidad)が十分ではない(la falta de suficiente proteína animal)という弱点を克服するための方策になるという。
実は、ミールワームは、家畜のエサだけでなく、バイオ肥料(biofertilizantes)の他、製薬(farmacéutico)、化粧品(cosmético)、バイオプラスチック(bioplásticos)などの各分野での応用が期待されるキトサン(quitosano)の生成にも欠かせないというのだから、かなり汎用性に優れている。
それでは、ミールワームにお出まし頂こう。
動画もあるが、虫好きの小生もやや引く量のワームたちが蠢いている(あえて「うごめく」を漢字で書いてみる)ので、今回はやめた。
さて、このミールワームの飼育(cría)と加工(transformación)を一挙に担う、世界最大の工場(granja de insectos más grande del mundo)がこの度、カスティージャ・イ・レオン州のサラマンカ県に建設される計画が発表された。
工場主は、ミールワームの学名「Tenebrio molitor」を文字った「テブリオ(Tebrio)」というメーカーで、ミールワームについての独自の特許技術(una tecnología propia patentada)を150ヶ国で取得している。
工場は2025年に最初の着工計画が終わり、最終的には2028年に建物が完成する予定で、完成すると9万平方メートルの敷地面積を有すことになる。
東京ドームで例えると、1.9個分だそうなので、まぁ、世界最大という割には、やや、小さい印象だが、年間生産で10万トン(toneladas anuales)を見込んでいる。
総建設費が1億1000万ユーロ(約176億円)とのことで、こちらはかなりの額。
計6棟ある建物の内、5棟が飼育、残り1棟が加工に当てられる予定。
飼育はスペースを有効活用するために、垂直方向、つまり、階層式に行うという(lo criarán de manera vertical, lo que economiza espacio)から、広大な地面を横に使う従来の方法とは異なる。
直接的な雇用(empleo directo)として150、間接的な雇用(empleo indirecto)で1350が期待されているという(単位は「人」かな。だとすると、世界最大という割には、人件費がかからなくて、これも今の流れかしらん)。
・小さな1地域で生産し、スペイン・ヨーロッパ全土で売る(La idea es producirlo local, venderlo en España y Europa)ーー。
・ビジネスモデルは持続可能で、自分たちの周りにあるもので全て賄うことな必要(el modelo de negocio sea sostenible y también todo lo que está alrededor)ーー。
これがテブリオ社の創設者たち(cofundadores)の理念。
テブリオ社が扱うミールワームも、そしてこれらを生産する規模も決して巨大ではないが、将来的にはアルゼンチンなどの牧畜国での工場展開も視野に入れているみたいなので、野心はとてつもなくデカい。
写真は定礎式の様子。
参加者らの足元には「定礎石(primera piedra)」が埋められている。
ちなみに、一番右側の老紳士は、小生は知らないが、ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)という元サッカー選手で、監督や解説者などをつとめた人物。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20250115/salamanca-obras-mayor-fabrica-insectos-mundo/16408345.shtml