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10/16 ニュースなスペイン語 Pobreza en España:スペインの貧困事情
約1300万人の人々がスペインでは貧困状態にあるーー。先日、発表された貧困に関する報告書(informe)はこう指摘する。
1300万人というとスペイン国民の27.8%にあたり、前年度比で、約38万人が新たに貧困(riesgo de pobreza)か社会的排除(exclusións social)の状態に陥ったことになる。
貧困を語る時、物質剥奪状態(Privación Material Severa)という考え方がある。
たとえば、「肉や魚などを二日に一度食べられるか(permitirse una comida de carne, pollo o pescado cada dos días)」、「家庭内の温度が適切に保たれているか(mantener una temperatura adecuada en el hogar)」、もしくは、「休暇にどこかに行けるか( irse de vacaciones)」など、多くの人が、贅沢をしなければ当たり前にできることをできない人たちが、スペイン国内には、約390万人もいるという。つまり、こうした人々は物質剥奪状態にある。
そして、国民の44.9%にあたる約2000万人の人々が月末までに達するのがやっと(dificultades para llegar a fin de mes)の生活にある。
豊かな北部と貧しい南部ーー。国内の貧困率を基にすると、実は、スペインは大きくふたつに分けられる(una España dividida en dos mitades)。北部のナバラ州とバスク州の貧困率はそれぞれ14.7%と16%であるのに対して、南部のアンダルシア州とエストレマドゥーラ州では共に38.7%にも達する。
これを見る限り居住地は貧困の遠因となるのだが、もっと直接的な要因としては、性差(sexo)がある。女性の方が男性より貧困率が高い( las mujeres registran peores tasas que las de los hombres)。
他にもこどもがいる家庭の方が大人だけの家庭より貧困率が高いこともあきらかになった(los hogares en los que viven niños, niñas y adolescentes tiene tasas más altas en los principales indicadores que aquellos donde hay adultos solamente)。
貧困家庭の約54.3%がひとり親家庭(hogares monoparentales)であることも分かったという。
そして、近年、職に就いているのに貧困な人(personas pobres con empleo)や高等・大学教育を終えているが貧困な人(personas pobres con estudios medios y/o universitarios)が増える傾向にある。
こんな状況を知れば、EU圏内で、ギリシア、ブルガリア、ルーマニアに次いで、貧困度は第4位と聞いても、そんなに驚くまい。
かつて太陽の沈まない帝国(el imperio en el que nunca se pone el sol)と言われたスペイン(正確には、ハプスブルグ家のスペイン帝国)は、今や、ヨーロッパでは極貧国のひとつとなってしまった。
太陽が沈まない、とまで行かないまでも、国民全員が毎日肉や魚が食べられて、休日にはちょっと近場にお出かけできるくらいまでに回復したいところか。
写真は配給に並ぶ列(通称「空腹の列(cola del hambre)」)(9月19日の記事を参照)。