5/21 ニュースなスペイン語 Campeón:チャンピオン
今回は恐竜(dinosaurio)の話。
バレンシア州カステジョン県シンクトラス(Cinctorres)で「スピノサウルス(espinosaurio)」の化石(restos fósiles)が出土した。
以前の小欄(3月28日発信)では、イベリア半島は様々なスピノサウルスの化石の宝庫で、先ごろ、リオハ州で新種が発見されたと紹介した。
今回発見されたスピノサウルスは、ギリシア語で「チャンピオン」を意味する「Protathlitis」と、化石が出土した地名にちなんだ「cinctorrensis」というふたつの要素を「Protathlitis cinctorrensis」と名付けられた。
スピノサウルスは、棘突起(きょくとっき)と呼ばれる特徴的なヒレを背中に持ち、二足歩行(bípedo)の肉食(carnívoro)系の恐竜。
今回出土した化石は右下顎の骨(un hueso de la mandíbula derecha)、犬歯(un diente)、尾骨5個(cinco vértebras de la cola)。
こうした断片(feagmento)から推定されるのは、何と、全長10〜11メートル、重さ2トンのエスピノサウルス(un ejemplar de entre 10 y 11 metros de largo y 2 toneladas de peso)で、これまで発見された個体とは違う種( diferente además a otros espinosaurios encontrados con anterioridad)とのこと(以下のイメージ図)。
エッ!背中にヒレ付いてない……。これもスピノサウルスなのか……!
まぁワニみたいな顔が、もうひとつの特徴だから、こちらを優先したのかしらん。
11メートルと言えば、大型バスとほぼ同じ。こんな生物がイベリア半島をかつて闊歩していたところを想像するだけで、何か、心ときめく。
写真は「Protathlitis cinctorrensis」の復元模型。
11メートルのスピノサウルスは、小欄でかつて紹介した個体の約5倍だから、まぁ、「チャンピオン」に相応しい命名と言えるが、どうも、それだけではないらしい。
バレンシアに拠点を置くサッカーチーム ビジャレアルFCが2021年に欧州サッカー連盟(UEFA)のリーグで獲得した「リーグチャンピオン(Campeón de la Europa League)」のタイトル(título)を意識した(hace referencia)ものらしく、さらに、今年、チーム結成100周年を迎えるへの敬意(homenaje al centenario del club)も込めているという。
半永久的に残る学術名に、チーム愛をおしゃれに忍び込ませた遊び心が粋だ。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230518/nuevo-dinosaurio-descubierto-castellon/2446536.shtml