1/26 ニュースなスペイン語 Igualdad:男女同権
この度、社会動向調査センター(CIS)によって、スペイン人の男女平等の感じ方(percepción)についての意識調査の結果が明らかになった。
社会動向調査センターは選挙の投票行動などの世論調査をする老舗機関で、メディアは一定の信頼を置いている。
そのセンターの調査で明らかになったのは、スペイン人男性の44%が、男女同権の意識が浸透し過ぎて、今度はむしろ男性の方が差別されている(se ha llegado tan lejos en la promoción de la igualdad de género que ahora se discrimina a los hombres)と感じているという側面。
こうした認識を最も持っているのが16歳〜24歳までの年齢層(franja)で、アンケートに回答した52%の男性がこのように感じているという。
調査ではいろいろなデータが示されていて、記事は、現実は数字より複雑(la realidad siempre es más compleja que un porcentaje)と総括する。
スペイン男性には冒頭のような被差別意識があるにもかかわらず、しかし、例えば、給料(salarios)などでは女性は男性より低い(peor)と思っている男性は52.9%もいる。
しかも、職場での昇進の可能性(posibilidades de ascenso en el trabajo)でも、女性は不利だと思う男性が48.8%もいる。
しかし、なぜ、冒頭のような被差別意識が生まれるのか。
この矛盾(paradoja)を解くひとつのカギは政府による男女平等政策をどう判断するか(un juicio de valor de las políticas del Gobierno)と専門家は指摘する。
男女同権を掲げてきた左派政党(partidos de izquierda)を支持する男性に限ってみると、被差別意識はぐんと減る。
スペイン社会労働党(PSOE)を支持する男性では22.4%、スマール連合(Sumar)を支持する男性は、わずか、9.5%しか被差別意識を感じていない。
これに対して、右派(derecha)を支持する男性の間では被差別意識は格段に増す。
国民党(PP)の男性支持者は66%が差別されていると感じている。
そして、極右政党ボックス(Vox)を支持する男性たちに至っては、何と、88%が被差別意識を持っているという。
伝統的なマチスモ思考に支配されている男性らには、躍進する女性がまぶしいどころか、煙ったいのだろう。
あたかも、自分が押しのけられ、踏み台にされたと感じるか……。
また、16歳〜24際の年齢層の男性では、男女の格差(desigualdad entre hombres y mujeres)は「少ない(pequeñas)」と「ほぼ無い(casi inexistentes)」を合わせると66%に達し、「かなり大きい(bastante grande)」と「非常に大きい(muy grande)」を合わせた34%を大きく引き離す。
しかし、この年齢層は職場や教育の場で、性別による差別(discriminación sexual)や女性が様々な嫌がらせを最も見てきた(más veces han presenciado )層でもあるのだが、なぜ、男女の格差は無いと回答するのか。
専門家はこの世代は、まさに男女平等の政策議論の中で育ってきた(ha crecido en medio de este debate)と指摘。
そして、「若い人にとって重要なのは自分の考えを貫くことで、何かややこしい矛盾点に足を突っ込むことではない(Para la gente joven es mucho más importante proteger lo que piensas y no entrar en contradicción)」と指摘する。
分かっちゃいるけど、面倒くさいー―。こんな面持ちか。
写真は男女同権のイメージ。
イメージにもあるように、男女同権やフェミニズム(feminismo)では、よく紫(morado;violeta)が使われる。
言うまでもなく、男性の青(azul)と女性のピンク(rosa)が混ざった色。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240121/datos-encuesta-igualdad-del-cis/15924552.shtml