8/21 ニュースなスペイン語 los 117 años:117歳
世界最高齢の女性(considerada la persona más longeva del mundo)であるマリア・ブラニャス(Maria Branyas)が20日、息を引き取ったという。
117歳だった。
家族によると、マリアは「いつも望んでいたように、眠っているうちに、安らかに、そして、苦しむことなく(como ella quería: mientras dormía, tranquila y sin dolor)」亡くなったという。
マリアは1907年、米国サンフランシスコで産まれ、その後、新聞記者だった父の仕事の関係で、各国各地を転々とし、最終的には、カタルーニャ州のジローナ県に落ち着いた。
マリアは亡くなる数日前、家族に次のように話していたという。
私も弱ってきたみたいだね。お迎えが近づいてるよ。あんたら、泣いちゃだめだよ。私は涙が嫌いなんだから。特に私を思って苦しむことはないよ。もう分かってると思うけど、私はどこに行ったって幸せだよ。何とかして、あんたたちを連れて行くんだから(Me siento débil. Se acerca la hora. No lloréis, no me gustan las lágrimas. Y sobre todo no sufráis por mí. Ya me conocéis, allí donde vaya seré feliz, pues de algún modo os llevaré siempre conmigo)。
死してなお、家族を記憶に留めておくというのが、かっこいい。
また、国営放送のラジオ番組もマリアの死亡を報じていて、在りし日の思い出を投稿している。
マリアさんに「もうあなたより高齢の人はこの世の中にいないんですよ」と言うたびに、肩をすくめて、「記録なんて、バカバカしい」とよく仰ってました(Cuando le recordaban que en el planeta no había nadie mayor que ella se encogía de hombros y decía que los récords eran tonterías)。
何だか、達観してるなぁ。
この長い旅ももう終えるよ(este largo viaje habrá terminado)―、こんな風に数日前から心を決めていたマリアにはあっぱれだが、冥福を祈ろう、アーメン。
なお、マリアが亡くなったことで、次の世界最高齢のタイトル(título)は、兵庫県在住の糸岡富子さん(116歳)となった。
写真は若かりしマリア・ブラニャス(一部)。
全体写真の下には1925年と刻印されているので、18歳の乙女の頃だろう。
亡くなる数日前には「死ぬ時は笑って、自由に、そして、思い残すことなく、逝きたいね(quiero que la muerte me encuentre sonriendo, libre y satisfecha)」とも語っていたという。
思い通りになったんじゃないかしらん。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240820/muere-a-117-anos-catalana-maria-branyas-persona-mas-vieja-del-planeta/16222524.shtml
読者の川上さんのご指摘により、一部、加筆・修正しました(8/25)。