8/8 ニュースなスペイン語 Nuevo look:イメチェン
nuevoは「新たな」を意味するスペイン語、lookは「見た目」を意味する英語だ。
誰がイメチェンしたかというと、フェルナンド・シモン(Fernando Simón)その人だ。こんな出で立ちで久々にメディアに登場した。
実は、シモンについては、たびたび、ノート記事でも触れた(5月20日、26日、6月1日、など)。まぁ、一言で言うと、シモンの人柄が好きなんだな、僕は。
シモンは「衛生警戒本部(Centro de Coordinación de Alertas y Emergencias Sanitarias)」の所長(director)だ。日本の尾身茂会長と同じような役割の人物だ。
連日のようにテレビに登場し、コロナ対策を論じていた。尾身会長と違い、早口でハスキー、加えて、語尾が聞き取れない、独特の話し方。そして、衛生警戒本部は政府機関なので、事実上のコロナの総責任者だ。
そのシモンが7日、故郷サラゴサで、栄誉賞(homenaje)を授与された。その受賞式に現れたシモンの出で立ちが冒頭の写真だ。下の写真と比べてみると、全く別人だ。
髪を短くし、あごひげを伸ばしっぱなし(cortarse el pelo y dejarse crecer la barba)。本人によると、「休暇中、めんどうだったから(da "pereza" afeitarse estando de vacaciones)」そうだ。
サラゴサは政権与党であるスペイン社会労働党(PSOE)の御膝下。矢面に立って、コロナ政策を推進してきたシモンには、中央政府からの功労賞的な意味合いがある。
一方、この栄誉賞の授与に「徹底的(rotundamente)に」反対していたのが、ボックス党(Vox)だ。
同党は授与の理由は「多いに説明が必要だ(Debe dar muchas explicaciones)」と述べている。なぜなら、「矛盾に満ちたアドバイスと誤った情報によって、パンデミックの重大な結果を招き、彼の専門性は、今の高職にそぐわない(con sus consejos contradictorias y sus informaciones erróneas ha contribuido enormemente al agravamiento de las consecuencias de la pandemia del coronavirus, y su profesionalidad no ha estado a la altura del puesto que ocupa)。」
未曾有のパンデミックを相手に戦ってきたのだから、もう少しお手柔らかに。
写真はシモンの職場、衛生警戒本部を訪れたペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相(写真中央)と当時の厚生大臣(Ministro de Sanidad)のサルバドール・イジヤ(Salvador Illa)。