4/11 ニュースなスペイン語 Corbata:ネクタイ
最高裁判所(Tribunal Supremo)は企業が従業員に対してネクタイ着用を義務付けること(exigir el uso de corbata)を追認する(avala)判決を出した。
ただし、ちょっとした注釈が必要。
今回の判決は
① エル・コルテ・イングレス(El Corte Inglés)が
② 同社のセキュリティ業務を担う企業(Sicor社(写真))のスタッフ(personal de seguridad)に対して、
③ 客と対面業務(servicio de cara al público)にあたる時、
④ ただし、夏場、エアコンが作動している(cuenta con aire acondicionado)
という条件の下で有効というのがポイント。
従って、①と④は満たしていても、例えば、②とは違い、倉庫(almacenes)や荷下ろしの際のトラックヤード(muelles)にいる従業員や、②は満たしているが、③を満たさない閉店後のセキュリティ業務(vigilancia fuera del horario de apertura de los centros)にあたる従業員には拡大されることなく(no se extiende)、ネクタイをしめなくてもオーケーということになる。
今回の判決では、コルテ・イングレスのネクタイ着用義務付けは労働組合との合意事項に沿っていると認定した(respeta de esta forma el acuerdo alcanzado con otros sindicatos de la empresa)上で、企業側に従業員の制服を決定する裁量(competencia para decidir sobre el uniforme de los vigilantes de seguridad)を与えた格好。
ただし、従業員の労働条件(las condiciones de trabajo)、季節(la estación del año)、職務・業種・個人の環境(las circunstancias de orden funcional, laboral o personal)、労働者の尊厳(la dignidad de los trabajadores)やジェンダーバランス(a igualdad por razón de sexo)などを考慮に入れる必要があることを裁判所が求めているのも大切な点。
以前(2022年7月30日)、小欄で取り上げたように、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相自ら、ノーネクタイを実践し、これを省庁などに通達するくらい、省エネ意識が高まると共に、ネクタイ信仰が次第に薄らいできてはいる(特に夏場)。
が、しかし、こうした政府の呼びかけむなしく、客商売でのネクタイ着用は、やはり、譲れないところか。
今年の夏も暑くなりそうだ。
小生の職場はドレスコードがないので、よほどフォーマルな場でない限り、ネクタイは着用しないが、それでも、夏場のネクタイは、やはり、御免被りたい。
生命に関わるからね。
写真はエル・コルテ・イングレスのセキュリティ業務にあたる「Sicor;Sistema de seguridad de El Corte Inglés」社の制服。
ネクタイの語源は、本文でも言及した2022年7月30日に書いたので、割愛。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240405/supremo-uso-corbata-verano-vigilantes-seguridad/16046706.shtml