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10/9 ニュースなスペイン語 Manifestación en contra de la amnistía:恩赦反対デモ

ここでいう「恩赦」とは、2017年10月1日に違法な住民投票(referéndum ilegal)を行い、カタルーニャ州の独立の是非を問うたことで、刑事告訴されている数名の政治家たちを無罪放免にすることを指す。

この恩赦は、現在、首相候補として国王からお墨付きをもらったペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)がカタルーニャ州の地域政党ジュンツ(Junts)や共和主義左翼(ERC)の支持を取り付けるための交渉カードとして温存しているところ。

違法な住民投票を実行した政治家たちを赦すことで首相再任を目指すサンチェス。

そして、独立によって国家の分裂(ruptura)をまねこうとした政治家には断固として屈しない姿勢を貫いた(が、結果として首相選には敗退した)アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)。

ふたりの対立、そして、それぞれが党首をつとめるスペイン社会労働党(PSOE)と国民党(PP)の批判合戦が次第に激化してきた。

そんな中、昨日、バルセロナで恩赦反対のデモが行われた。

参加者は、警察(Guardia Urbana)発表で5万人、主催者(organizador)発表で30万人と開きはあるが、少なく見積もっても、かなり大規模なデモ。

この数字は、言うまでもないが、カタルーニャの住民がすべてが独立を望んでいるわけでもないし、独立派のリーダーたち赦して欲しいと思っている訳ではない、ということを意味する。

デモには国民党と、同党に協力しているボックス(Vox)の関係者が参加した。

フェイホは社会労働党がジュンツ(Junts)からの7票の支持票欲しさ(a cambio de siete votos)に、同党と恩赦を巡る交渉をしている(esté haciendo un negocio)ことを嘆いてみせた。

また、ボックスの党首サンティアゴ・アバスカル(Santiago Abascal)は恩赦を憲法に対する攻撃(agresión a la Constitución)と位置づける。

一方、臨時首相省大臣(ministro de la Presidencia en funciones)のフェリス・ボラーニョス(Félix Bolaños)は、デモに参加した国民党とボックスを、昔の対立を懐かしんでるだけ(nostálgicos del enfrentamiento)と批判。

カタルーニャ州政府首相(presidente de la Generalitat de Cataluña)であり、ペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)は、フェイホもアバスカルも負け組(fracaso)とし、「恩赦の交渉は前進するだろう(la amnistía va a salir adelante)」と述べた。

そして、「カタルーニャは今、自らの未来を自由に決めることができるかどうかの岐路にある(Cataluña está enfocada para decidir su futuro en libertad, para autodeterminarse libremente)」と意気込んだ。

1票でも多くの支持を得たいサンチェスは、恩赦をちらつかせて、ジュンツなどの独立派と交渉を進めているが、この劇薬は使用上の注意をよく知り、用法用量を守って正しく使う必要がある。

写真はデモの様子。「恩赦反対(¡AMNISTÍA NO!)」と書いた横断幕が見える。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231008/societat-civil-catalana-manifestacion-contra-amnistia-barcelona/2457851.shtml