7/24 ニュースなスペイン語 Fiebre hemorrágica de Crimea-Congo:クリミア・コンゴ出血熱
何だか、いかつい病名だが……
出血熱と聞くと、つい「エボラ出血熱(fiebre hemorragica de Ébola)」を思い付くが、国立感染症研究所によると、少なくとも、エボラや他の出血熱より、発症例は多いみたいで、「アフリカ大陸から東欧、中近東、中央アジア諸国、中国西部にかけて広く分布している」とのこと。
で、このクリミア・コンゴ出血熱を発症した男性がマドリード州で緊急搬送され、のちに高次元隔離(aislamiento de alto nivel)のための施設に移された。
この男性は74歳で、トレドの別荘(segunda residencia)でダニにかまれた(picadura de garrapata)後、発熱(cuadro febril)と身体全体の調子の悪さ(malestar general)を訴え、病院で診察を受けた際、クリミア・コンゴ出血熱と診断された。
容体は落ち着いている(situación clínica estable)様子で、男性と接触(contacto)のあった人たちも適切な追跡調査(seguimiento oportuno)を行っているという。
スペインにおけるクリミア・コンゴ出血熱の発症例について、今回、参照した記事だけでは、よく分からなかったので、他の記事も見てみた。
2010年、エストレマドゥーラ州のカセレスでクリミア・コンゴ出血熱のウィルスを保有したダニが発見されたというが、この時はまだ、ヒトへの感染は確認されていない。
2016年8月、カスティージャ・イ・レオン州のアビラで、62歳の男性がダニにかまれクリミア・コンゴ出血熱を発症したが、これが国内初の感染例らしい。
男性はマドリード州にあるグレゴリオ・マラニョン病院に搬送されたが、治療の甲斐なく死亡した。
そして、この男性の治療にあたった看護師の内のひとりが、男性から出血熱に感染した。
これが、西ヨーロッパ(Europa Occidental)では、非輸入型(con carácter autóctono;〜 no importado)、つまり、スペイン以外の地域から持ち込まれたものではない感染例として、最初となったという。
国営ラジオ(24 horas RNES)が、このたびのトレドの別荘で感染した男性を「2016年以降、マドリードでは最初の感染例(Se trata del primer caso en Madrid desde 2016)」とSNS に投稿しているが、マラニョン病院の看護師の例を入れれば、2例目なんじゃないかなぁ。
それはさておき……。
スペインでは、2013年から13例のクリミア・コンゴ出血熱が確認されていて、そのうち、5名が死亡している(con cinco fallecimientos)。
ダニはライム病(enfermedad de Lyme)とかリケッチア感染症(fiebre botonosa)など、小生は聞いたことも、罹患したこともないが、ヒトの健康に害を及ぼす重大な病気(las más importantes para la salud humana)を媒介(vector)する。
写真はダニ(正確には「マダニ(Hyalomma)」)。
小生は虫には比較的寛容だが、ダニにだけは、全く好感が持てない。
ところで、厚生省(Sanidad)がダニにかまれないようにするためのアドバイスをといくつか挙げているが、その中に「開いた履物(calzado abierto)」を避け、「閉じた履物(calzado cerrado)」を履くように、とある。
後者の例として、ブーツ・長靴(botas)を挙げていて、さらなるダニ対策として、靴下をズボンの上にかぶせる(con los calcetines por encima del pantalón)とある。
つまり、極力、ダニに肌をさらさないようにという勧告だろうから、足の表面が隠れているものを「閉じた履物」と総称しているようだ。
この発想からいくと、肌の露出があるようなサンダルは「開いた履物」ということになるのかな。
Cerradoもabiertoもよく目にする形容詞だが、ドアや窓、他にも施設などと一緒に使われている場面をよく目にするので、こうした他の場での使用を見るとちょっと嬉しい。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240722/madrid-detecta-caso-fiebre-hemorragica-crimea-congo/16194788.shtml