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1/1 ニュースなスペイン語 Preúvas:ブドウ先取り

明けましておめでとうございます。本年も皆さんにとって実り多い年でありますように。

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今更「幸運の12のブドウ(doce uvas de la suerte)」について言うまでもないが、大晦日(Nochevieja)に家族や友人らと集まって、新年を告げる鐘の音(campanadas)に合わせて、ブドウを12個食べる(comerse)スペインの伝統のこと。

スペインでは通常、生(fresco)で、緑系の(de color verde)ブドウを使う。

ウィキによれば、諸説あるようだが、1909年にバレンシア州アリカンテ県のブドウ農家(viticultores)が豊作だったブドウを売さばく(vender mejor)ために広めた商業上の作戦だったようだ。

個数については、新年の12ヶ月の幸福を願うから12個なのか、新年を告げる鐘の音に合わせて食べるから12個なのか、はたまた、そのふたつを取り混ぜた(compaginar)からなのか判然としない。

何か宗教的な根拠がある訳ではないし、数百年続く伝統という訳でもないので、「12個のブドウ」が時代の要請によって、形を変え、近年「preúvas」なる習慣が出てきても、さほど驚くものではない。

「ブドウ」に「前もって」を意味する接頭辞「pre-」の付いた単語で、スペイン王立アカデミー(Real Academia Española)によれば、大晦日のブドウを先取りして食べるイベント(una fiesta en la que se toman con antelación las uvas de la Nochevieja)とのこと。

小生はまだ、「preúvas」には立ち会ったことがないので、いくつ食べるかは知らないが、もしかしたら、もう個数にもこだわらないのかもしれない。

最近ではブドウの不作に備え、皮をむき(peladas)、種を取った(sin pepitas)、シロップ漬け(en almíbar)の缶詰もあるみたいだから、当初の、豊作のブドウを売るという目的も、どこへやら。

皆が互いの無事を確認し合って、来たる新年の幸福を願い合うために集まる口実が「12個のブドウ」だと思えば、まぁ、形式は何でも良いのかもね。

写真は「太陽の門(Puerta del Sol)」に集まった人々。

なお、「preúvas」は「pre-uvas」のようにハイフン(sin guion)や「pre␣uvas」のようにスペース(sin espacio)を入れず、1語として、「u」にアクセント符号(tilde)をつけて書くのが正しいとアカデミーは定めている。

出典https://www.libertaddigital.com/cultura/2024-12-31/la-rae-elige-despedida-como-palabra-del-dia-en-el-ultimo-dia-del-ano-2024-7202914/