11/18 ニュースなスペイン語 Emergencia lingüística extrema:言語の極限状況
昨日、ガリシア州の州都サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)で600人程が参加したデモがあった。
デモを呼びかけたのは「我々はガリシア語を愛してる(Queremos Galego)」という団体(plataforma)で、参加者らは「ガリシア語のために団結しよう(Unámonos polo galego)」と訴えた。
ちなみに、どこかでも書いたが、こういう団体や政党の名称が「文」になっていることにいつも訳しにくさを感じる(例えば「ガリシア語愛好団」なら訳としてスワリが良いんだけどね・・・)。
閑話休題。
先日ガリシア語研究所統計局(Instituto Galego de Estadística)は
・常にスペイン語を使う住民の数が、常にガリシア語を使う住民の数を超えた(población que habla siempre en castellano ya supera a la que lo hace en gallego)
・15歳未満の若者の3分の1がガリシア語を話せない(un tercio de los jóvenes menores de quince años no saben hablar la lengua de su tierra)
との発表を行い、今回のデモはこうした状況を「言語の極限状況」、「危機的状況(situación crítica)」と見なし、ガリシア語を排除してきた政策を批判した。
中でもやり玉に上がったのが、前ガリシア州知事で、現在は国民党(PP)の党首を務めるアルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)と、そのフェイホの後継者(sucesor)であり、現知事のアルフォンソ・ルエダ(Alfonso Rueda)のふたり。
デモの主催者団体はフェイホとルエダをガリシア語を少数言語に追いやった(llevar al gallego a la situación en que se encuentra ahora, como lengua minoritaria)張本人として批判した。
また、主催者は「15年間に及ぶガリシア語毛嫌い政策によって、我々の言語の未来が吊るし上げられてしまった(Los 15 años de políticas galegófobas, de políticas contra el gallego, están poniendo contra las cuerdas el futuro de nuestro idioma)」と述べる一方で、次のようにも説いた。
もし、現在のガリシア州政府の行っている政治が変われば、ガリシア語の行く末も変わる。まずは、我々のことばを副次的な言語へと変えてしまった、恥知らずな他言語令の改革から始めよう(es posible cambiar el rumbo si cambia la política que está haciendo la Xunta, empezando por ese decreto —de plurilingüismo— de la vergüenza que convirtió al gallego en una lengua de segunda)。
少数言語はどこも厳しい状況にあるが、ただ、統計局が発表した「15歳未満の若者の3分の1がガリシア語を話せない」は、裏を返せば、未成年の3分の2はガリシア語が話せるということなのだから、まだ、恵まれているとは思うけど…。
写真は、スペイン語とガリシア語の作品を産み出した詩人ロサリア・デ・カストロ(Rosalía de Castro)。
主催者は彼女の生誕を記念するロサリア・デ・カストロの日である2月23日にもデモを開催するとも宣言した(convocar de nuevo a la sociedad a un nuevo acto el 23 de febrero, Día de Rosalía de Castro)。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20241117/miles-personas-denuncian-santiago-compostela-emergencia-lingueistica-extrema-vive-gallego/16334545.shtml