5/31 ニュースなスペイン語 28M(2):5月28日選挙(2)
選挙結果やら総選挙前倒しやらで、いやはや、いろいろ書き留めておきたいことがあるが、まずは、スペイン社会労働党(PSOE)と国民党(PP)を始めとした勢力の分布の移り変わりを視覚的に確認しておこう。
マドリードをはじめとする主要5都市(principales ciudades)の4年前の情勢と今回の選挙の結果を比較する。
1.マドリード市周辺
2019年の選挙の結果では、マドリード市はマス・マドリード党((Más Madrid):エメラルドグリーン)が最得票政党(el más votado)だったが、今回の選挙では、そのテリトリーを失った。
その代わりに台頭したのが、国民党(アオ)だ。国民党はマス・マドリード党だけでなく、市民党((Cs):オレンジ)の牙城も食い尽くした。
そして、スペイン社会労働党(アカ)も、特に、北部のいくつかの市で、国民党に敗退した。
かくして、元々、国民党が強固だったマドリードは、その足場をより確固たるものにした。
2.バルセロナ市周辺
マドリードと違い、カタルーニャは色とりどりの政党が票を分け合う群雄割拠状態。
そんな中で、スペイン社会労働党系のカタルーニャ社会党((PSC):アカ)が最多得票の政党(ha sido el partido más votado en las municipales en Cataluña)となり、同党支配の強い、いわゆる「レッドベルト(cinturón rojo)」を死守した。
対して、カタルーニャ州での国民党(アオ)の存在感はあまりない。
3.バレンシア市周辺
バレンシア国社会党((PSPV):アカ)は「レッドベルト」を守り抜いたものの、全体的にアカは薄い。
一方、4年間にコンプロミス党((Compromís):オレンジ)が収めていた地域の大部分は国民党に奪取された。
4.セビージャ市周辺
セビージャ市はスペイン社会労働党の牙城だったが、今回の選挙では、国民党にむしり取られた格好。
さらに、社会労働党は、西部のラ・プエブラ・デル・リオ(La Puebla del Río)ではデラプエブラ党((DeLaPuebla):灰色)に、そして、コリア・デル・リオ(Coria del Río)ではアンダルシア連合((UA):灰色)に、それぞれ、持っていかれた。
5.サラゴサ市周辺
2019年の選挙では社会労働党の圧勝だった。
しかし、今回の選挙では「右派の津波(el tsunami de la derecha)」が押し寄せ、サラゴサ市は国民党のテリトリーとなった。
しかし、社会労働党も奮闘し、かつてのアラゴン党((Partido Aragonés):黄色)の地場をもぎ取ることに成功した。
あまり細かい各都市の星取り状況を見ても、全体像を見失うので、今回は、ざっくりと見回した。
詳細に関心がある人は以下の出典を見てみると良い。
写真は本文で紹介した5都市。パッと見て、アオが目立つのは、国民党の勢力が勝っているということだろう。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230530/resultados-28m-elecciones-municipales-grandes-ciudades-areas-metropolitanas/2447883.shtml