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12/8 ニュースな日本語 Mujer samurái:女侍
日本のことを海外の人たちに教えてもらう。この小欄では時々ある。
この度、フランス人イラストレーターのバンジャマン・ラコンブ(Benjamin Lacombe)と作家のセバスティアン・ペレス(Sébastien Perez)のコンビがイラスト本『女侍たちの歴史(Historias de mujeres samuráis)』を上梓した(以下は表紙)。
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ラコンブは20年前、「女武芸者(onna-bugeisha)」と呼ばれる女武士がかつて日本にいたことを知り、その時に「巴御前(Tomoe Gozen(写真))」なる人物が12世紀にいたことを突き止めたものの……
いざ、文献を集め始めたのですが、いやはや、女侍たちの本が全くないということにびっくりしました(Pero cuando empecé a documentarme, me sorprendió que no había ningún libro sobre ellas)
と語った。
なぜ、女侍たちについての文献がないのか――。
ラコンブは次のように分析する。
日本は依然として男社会です。そんな社会では、男と同等の女戦士を表現しづらく、むしろ、女性は男を誘惑するものとして描かれます。だから、彼女たちは歴史から消し去られ、その生涯が知られることが望まれなかったのです(La sociedad japonesa sigue siendo muy patriarcal. Y no quiere mostrar una mujer luchadora que sea igual que un hombre, sino a una mujer seductora. Por eso las han invisibilizado históricamente, no quieren que se conozcan sus historias)
ラコンブによると、巴御前という女侍は、3000人の兵を指揮し(dirigió)、大きな戦(combates decisivos)でも勝ちをおさめたという。
そして、巴御前は、女性は「なぎなた(naginata)」を使うのが通常だった当時、刀の使用を許された数少ない女性だった(fue una de las pocas mujeres a las que se dejaba usar la Katana)。
「もし巴御前が男だったら、何百冊にも及ぶ文献が残っていたでしょう(Si hubiera sido un hombre habría cientos de libros sobre ella)」とラコンブは語る。
武士としての真価と戦術の才能が強調されない(no se resalta su valor como luchadora, ni su inteligencia o habilidad militar)女武芸者はどのように描かれたか。
ラコンブは「彼女たち女武士を単なる性の領域にのみ閉じ込めておくことが常だったのです(Se suele reducir a estar guerreras a una dimensión puramente sexual)」と答える。
彼女たちの性的な画像、ポルノまがいの画像すら(imágenes muy sexualizadas, incluso pornográficas)見つかるとのこと。
正直、「女武芸者」も「巴御前」も聞いたことがない日本語だし、このような女侍が平安末期にいたというのも知らなかった(せいぜい「必〇仕事〇」で女忍者が出てくるのは見たことがあるが・・・)。
勉強になりました。
写真は巴御前。
ウィキによると、『平家物語』では源義仲に仕えた女武者とされているらしい。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20231205/benjamin-lacombe-mujeres-samurais/2464547.shtml