2/25 ニュースなスペイン語 Oso panda:パンダ
ここ数日、ちょっと重い話題が続いたので、今日は動物の記事。
単に「panda」とも言うが、「熊」を意味する「oso」を付けることもある。
「panda」はネパール語で「竹」に関わる語から派生しているようだが、どうも、よく分からない。
中国のパンダ外交(diplomacia del panda)は、当たり前だが、日本だけでなく、スペインにも及んでいる(ということを今回、初めて、知った)。
この度、マドリード動物水族園(el Madrid Zoo Aquarium)が中国から借り受けていたパンダ5頭を同国に返還する(se despide)。
さらに、協定を更新し(el convenio se ha renovado)、来月から新たに別の2頭のペアを迎える。
スペインは2007年に2頭のオスメスのパンダ(pareja)を借り受け、3頭の子パンダ(crías)が誕生したが、今月29日をもって、それら全てが中国に返還されることになる。
なお、3頭の内、2頭が双子(gemelos(写真))で、現在のマドリード市長ホセ・ルイス・マルティネス・アルメイダ(José Luis Martínez-Almeida)が2頭の名付け親(padrino)になっている。
漢字は分からないが、1頭は「友情(amistad)」を意味する「You You」、もう1頭が「永遠(duradera)」を意味する「Jiu Jiu」という名らしいので、多分、前者は「友友」、後者は「久久」か…
閑話休題。
スペインに初めてパンダがやってきたのは、実は、1978年12月24日だったというから、カンカンとランランが来日した1972年とほぼ同時期。
2頭は当時の国王フアン・カルロス1世とソフィア王妃へのプレゼント(regalo)という位置づけ。
1973年から中国との外交関係(relación diplomática)が始まり、78年に国王夫妻は同国を訪れていた。
そして、この2頭から1982年9月4日、「Chu Lin」というオスのパンダが誕生した。
Chu Linは「竹林の中の宝(Tesoro entre los bambúes)」という意味らしいが、漢字表記が分からないので、以下は、取りあえず、「チュウリン」としておく。
チュウリンはスペインが所有するメスパンダ(hembra)とイギリスが所有するオスパンダ(macho)との人工受精(inseminación artificial)で産まれ、当時、世界で最も高価な動物(el animal más valioso del mundo)としてギネスに認定されたという。
現在の価値では1億9000万円くらいと試算されている。
誕生日には、盛大なパーティーが催され、お祝いの手紙や電報が殺到したという(Cada cumpleaños era una auténtica fiesta y se multiplicaban las cartas y telegramas de felicitaciones) 。
当時の社会現象にもなった(se convirtió en un fenómeno social de la época)チュウリンは、しかし、1996年4月30日、13歳の生涯を閉じる。
パンダの寿命が20歳位なので、まぁ、ことさら、夭折したというわけではないが、ウィキに残っているはく製は、小さく、か弱い。
どうやら、3歳の頃、糖尿病(diabete)のような症状が見られると診断され、以後、病院暮らしとなったらしい。
結局、チュウリンの他、78年に来西した2頭のパンダも死に、2007年まで、スペインはパンダがいない状態が続いた。
今月末で借り受けていた2頭に加え、スペインで誕生した3頭のパンダも中国に返還するが、また、新たな2頭がやってくる。
この2頭が今度はどのくらいの利子(笑)を産むか。
写真はのちに「You you」と「Jiu jiu」と名づけられることになる双子のパンダ。
2021年誕生というからコロナ禍真っ只中。