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7/24 ニュースなスペイン語 Brigadista:消防隊

Brigadistaとは、ことば本来の意味としては、「brigada」で働く人を指す。

そして、brigadaというのは、軍隊などの「班」とか「係」のこと。

だから、厳密に言えば、消防隊はbrigadistaの一部だけど、消防隊=brigadistaというわけではない。

が、今、スペインでbrigadistaは、消防隊、更に限定するなら、山火事(incendio forestal)の消火活動に命をかけて当たっている人たちを指す。

スペインでは23日現在、すでに7万3000ヘクタールの国土が焼失した。よくある例えで言うなら、東京ドーム約1万5000杯分……。広大過ぎて想像がつかない。

そして、その焼失した土地の約60%が、カスティージャ・イ・レオン州のサモラ県の各所で発生した火災によるものである。しかも、1ヶ月足らずの所業というのだから、驚くしかない。サモラ県のロサシオ(Losacio)地区の火事は、スペインの山火事史上、最悪となってしまった。

そんな大変な事態に見舞われているカスティージャ・イ・レオン州でちょっと聞き捨てならない声が聞こえてきている。

7月に契約をして、9月か長くても10月まで働く。そしたら、後は、来年まで無職さ(Te hacen un contrato en julio, trabajas hasta septiembre o hasta octubre como mucho, y luego a la calle hasta el año siguiente)。

これは、7年前からカスティージャ・イ・レオン州の消防士として働くある男性の指摘だ。

つまり、この時期、同州で山火事の消火活動に当たっている多くの消防士たちは、季節労働者なのである。こういう消防士たちは、「下請け消防士(bomberos subcontratados)」と呼ばれている。

しかも、研修(formación)は「学科(teórica)」が8時間、「実技(práctica)」が8時間の計16時間。これで現場に出されるという。

だから、

ここ連日のような1万ヘクタール級の火災の初日の出動で、人生、初の17キロのリュックを背負うような人たち(desde el primer momento en incendios de 10.000 hectáreas como los de estos días y no han cogido una mochila de 17 kilos en la vida)

だらけ、ということになる。

若者は過酷な労働なため、すぐ辞める。たから、現場は経験不足な上、圧倒的に人員も少ない。県内の消防士が山火事対応に追われるが、それでも足りず、アンダルシア州からも応援に駆けつけたほどだった。

しかも、62歳の消防士まで過酷な現場に動員され、結局、この男性はサモラ県の火災で殉職してしまった。

この件に関して、カスティージャ・イ・レオン州の担当者は、「十分な策は取っていた(ha habido medios suficientes)」としているが、どうだろうか。

山火事の95%が火の不始末と聞く。そして、消火が人員不足のためにままならないとすれば、これは、行政の責任でもある。

根が深い問題なので、また、続報するかもしれない。

写真はサモラ県の消防士。県は火事を「消火できない(inextinguible)」との見解を示したって……。うおぉぉぉい!消火できないじゃないだろ……。

出典https://www.rtve.es/noticias/20220720/precariedad-bomberos-lucha-incendios-contratan-tres-meses/2389555.shtml など。