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9/25 ニュースなスペイン語 Hipocresía insoportable:看過できない偽善

タイトルは違うが昨日の続報。

アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス国際空港(Adolfo Suárez Madrid-Barajas)で、22日から、サハラ・アラブ民主共和国出身の30名ほどの男性活動家たち(activistas saharahuis)が、政治亡命(asilo político)をスペイン内務省(Ministerio de Interior)に申請したものの、いずれも却下(denegado)され、このことに抗議するために、ハンガーストライキ(huelga de hambre)に突入したーー。

バラハス空港ではこんなことが現在進行形で起きていることを昨日、紹介した。

ハンスト(←昭和人には、どことなく、懐かしい響き・・・)から1日ほどが経過し、スペイン内務省はモロッコのパスパートを所有している10名の活動家を、モロッコに送還(deportar)することを決定した。

10名の活動家たちについて、内務大臣フェルナンド・グランデ・マルラスカ(Fernando Grande-Marlaska)は

法に照らし合わせ、国際的庇護の対象者とは見なすことのできなかった者はいずれも送還されることになるが、本省は常に関連事案についての法的措置を取っている(Serán devueltos todos aquellos que de conformidad a la ley no se haya estimado como acreedores de protección internacional y siempre con la ratificación judicial al respecto)

として、今回の送還が、一部で言われているように「政治的な判断(decisión política)」によるものではなく、あくまでも、法に則った措置であることを強調した。

なお、今回送還されることになった10名は22日にハンストに入ったが、その内の5名は翌日の月曜日には、さっそく朝食を済ませていたという(まぁ、腹が減ってはイクサもできないから、長期戦に備えて食べておいた方が良いと、個人的には、思う)。

さてさて、亡命申請を却下したり、一部の活動家たちを強制送還したりする内務省のやり口に対して、怒り心頭なのが、ポデモス党(Podemos)総裁(secretaria;líder)イオネ・ベララ(Ione Belarra)だ。

ベララは内務省を、タイトルのように「看過できない偽善」と批判。

それにしても、偽りにせよ、いつ、内務省が「善行」を積んだのか・・・。

人権派のベララは、もちろん、今回の亡命却下や強制送還を「善行」と見なしている訳ではない。

少しさかのぼるが、今月初め、スペインはベネスエラからエドムンド・ゴンサレス・ウルティア(Edmundo González Urrutia)という政治家の亡命を受け入れたが、その経緯を持ち出し、ゴンサレス・ウルティアの亡命許可を「偽善」と呼んでいるのである。

ウルティアについては、何か、書きたいなぁと思いつつ、ベネズエラの情勢にあまり明るくないので、手をこまねいている間に、随分と時が経ってしまった。

先の大統領選挙では、現職のニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)が再選されたが、その実施から集計・結果に至るまで疑惑だらけの選挙で、その正当性に疑念が出ている。

そんな中で、ゴンサレスは70%を得票したとも伝えられ、本当の新大統領とも評される人物。

しかし、その亡命受け入れについては、すこぶる、評判が悪い。

ゴンサレスについて、ベララは「危険な極右派(extraderechista peligroso)」と見ていて、そんな人物の亡命を受け入れるなら、なぜ、迫害されている(と主張している)西サハラの活動家の亡命を受け入れないのか、と、まぁ、言いたいのだろう。

内務省 vs 活動家の戦いはまだ続きそう。

写真は西サハラ難民の窮状を訴える活動家たち。

横断幕には

マルラスカ内務大臣殿
西サハラの人々は保護を必要としている。強制送還、反対!

とある。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240923/interior-deportara-marruecos-diez-activistas-saharauis-pidieron-asilo-barajas/16259202.shtml