5/14 ニュースなスペイン語 Elecciones catalanas(2):カタルーニャ州議会選挙(2)
昨日の続報。
日曜日に投票が行われた州議会選挙で、サルバドル・イジャ(Salvador Illa)が率いるカタルーニャ社会労働党(PSC)が42議席(得票率は28%)を獲得し、今回、出馬した面々を抑え、とりあえず、選挙には勝利(victoria)した。
まぁ、これは昨日の戦況から予想できたこと。
後は、イジャが新しい時代を開くために(abrir un tiempo nuevo)、カタルーニャ州議会のトップ、すなわち州知事(presidente)になるためにどのような闘いが待ち受けているかが焦点となる。
これまで州政府を率いてきた共和主義左翼(ERC)は議席数を13も落とし大敗。
議席数はわずか20議席数(同13.7%)に留まった。
これまで知事の座についていた(というか、法律上は「まだ」知事の)ペラ・アラゴネス(Pere Aragonès)は、記者会見(rueda de prensa)の中で、「私はスペインと代表を務める党への責任を認めることになる(Asumiré la responsabilidad con el país y con el partido que represento)」と切り出し、「政治の第一線からは退こうと思う(Abandonaré la primera línea de la política)」と述べ、早々に選挙での敗北を認めた。
この表明は、つまり、これから始まる知事の座を賭けた闘い(investidura)には出馬しないことを示唆するものだろうから、イジャのライバルはひとり消えたことになる。
一方、今回の選挙で、35議席(同21.6%)を獲得し、2位に留まったジュンツ(Junts+)の代表を務めるカルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)は、一貫した主権主義を担う政府(un Govern de coherencia soberanista)を目指し、知事戦への出馬を表明している。
ただ、カタルーニャ州独立賛成派(independentista)のくくりで見ると、従来より、13も落とし61議席に留まっていて、過半数(mayoría absoluta)の68議席は(背中は見えるものの)手はなかなか届かない。
その落とした13議席が丸々独立反対派(no independentista)に移ったのだから、州政全体は独立反対の方に流れている。
従って、プッチダモンが画策する独立賛成派との協力体制は不発に終わるかも。
それに、今回の選挙で得票率トップのカタルーニャ社会労働党とて、単独(en solitario)では、わずか42議席しかないので、知事選出のための過半数の支持票を得るためには、各党に協力を要請しなければならない。
となると、イジャとプッチダモンの両陣営がどのような選挙協力のための交渉(pacto)を行うかが問題となる。
交渉による約束(というか密約)の効力は強い。
ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)が首相に返り咲くために、カタルーニャ独立派と交わした密約の中で、今もなお、サンチェスを悩ますのが恩赦法(ley de amnistía)であるように、今回、各党の協力を得て、知事の座を射止めても、その後にややこしい問題をずっと引きずりかねない。
密約の効力は、確かに、抜群かもしれないが、劇薬なので、用法・容量を守ってしようしないと……。
具体的な密約の可能性については、稿を改めよう。
写真はイジャ(左)とプッチダモン。