6/8 ニュースな英語 Mosquito Alert:蚊警報
モスキートアラートの方がスワリが良いか…?
それはともかく、今、スペインの特にバルセロナやバレンシアなどの東沿岸の大都市(las grandes ciudades de la costa este de España)や南部のマラガを中心に、ヒトスジシマカ(mosquito tigre;学名:Aedes albopictus)が大量(abundante)に発生しているらしい。
そこで、保険衛生省(Ministerio de Sanidad)は「刺されたら、報告を!(Si te pica, ¡notifica!)」とのスローガンのもと(lema)、報告を元に国内初となる蚊生息地図(primer mapa de picaduras de España)を作成する。
ヒトスジシマカは我々日本人にはお馴染みの蚊(写真)。
不名誉だが、記事では「日本の蚊(mosquito de Japón)」と表現されてもいる。
ちなみにスペインに広がっているのが、ヒトスジシマカの他に、ヤマトヤブカ(mosquito del Japón;学名:Aedes japonicus)という種らしい。
叩く前にいちいち確認なんかしないので、お目にかかったことがあるかどうかは、分からないが、まぁ、その名の示すとおり、日本に確かに生息してるらしい。
日本人は、蚊との付き合いが長すぎて、コイツらの危険性を忘れがちだが、黄熱病(fiebre amarilla)やデング熱(dengue)を媒介する虫なので、スペインでは警戒レベルが高い。
様々な媒体を通じて、モスキート・アラートを発出し、外来種の早期発見(la detección temprana de especies invasoras)を目指す。
モスキート・アラートは国内4ヶ所の大学や研究所が共同で行う大プロジェクト。
プロジェクトの責任者は、
市民の皆さんから提供いただいたデータを科学的に活用し、これらの蚊がどのように国内に侵入してきたのか、そして、どの地点で最も多いのかなどを示す地図を作っていきます(Los datos que nos dan los ciudadanos los trabajamos científicamente para poder generar unos mapas que nos indican cuál es el proceso de invasión y dónde y cuándo hay más abundancia de estos mosquitos)。
と話す。
日本も蚊が媒介してデング熱が流行ったことがあった(あれは、2014年のことだったのか…)。
蚊による日本脳炎やマラリア感染例もまだある。
蚊は、年間70万人を死に追いやる、最も危険な生物(el aninal más letal)とも言われる昆虫だ。
正常性バイアスからか、蚊に対する警戒心がすっかり錆びついていたが、国を上げて根絶に動く程の虫だということを思い知らされた。
写真はヒトスジシマカ。
この忌まわしいスジをスペイン語では「トラ(tigre)」と表現するセンスが、何となく、好き。
ちなみに本文中の「蚊生息地図」には「picaduras」という語が入っている。
これは「虫刺され」という意味だが、「蚊に刺されること」を「蚊刺され」とは言わないので、「生息」としておいた。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230607/sanidad-impulsa-aplicacion-detectar-mosquitos/2448807.shtml