10/4 ニュースなスペイン語 Indeminizado con 600 euros:600ユーロの賠償
日本円に換算すると約9万5000円の賠償命令が出たというニュース。
私にとって、あの子は子どもに一番近い存在だったのに、彼はその精神的な繋がりを断ち切ってしまったのです(Para mí era lo más parecido a un hijo y él rompió ese vínculo emocional)――。
こう話す女性は、愛犬エマン(Heman)について、元夫と共同親権(custodia compartida)を交わしていたものの、約1年に渡り、会わせてもらえなかったとして、裁判所に元夫に対する賠償金請求をしていたという。
この女性は男性との交際が終わった際、犬を月に2週間ずつお互いの家で過ごさせる取り決めをしていた(Ambos, al finalizar la relación, tomaron la decisión de que cada uno tuviera al animal dos semanas al mes)が、1年半が経過して、元夫の男性は愛犬を女性に会わせなくなった(Después de un año y medio, la expareja de Marta decide no darle más a Heman)という。
近年、スペインの裁判所はペットへの面会権(regímenes de visita)を認める判決を出しているが、今回の判決は、女性の受けた精神的なダメージが、こんにちまで癒えていない(daños morales que hasta ahora quedaban sin reparación)ことを認めたという点で画期的(pionera)という。
もう一つ、判決では、賠償金に加えて、15日間の面会ルーティン(turnos rotatorios de 15 días)も命じたが、これは共同親権下にある未成年と同じ日数(similares a los de la custodia compartida con menores)だという。
女性の弁護士は
今、私たちはマルチスピーシーズな家族へと移り変わってゆく過程にいます。今は家にいるのが小さな子どもより動物の方が多い時代です。私たちとペットとのきずなは日に日に強くなっているのです(Estamos evolucionando a un término de una familia multiespecie. Ya hay más animales en casa que niños pequeños en nuestro país. El vínculo que tenemos con nuestros animales cada vez es mayor)
と述べる。
ちなみに「マルチスピーシーズ」とは、世界では「人だけに限定して物事を考えるのではなく、人間と人間以外の存在が絡まり合っている」とする見方のこと。
「人間以外の存在」には「動植物」の他に、「精霊」やら「機械」、「土地」まで含めるという考えのようで、近年、注目されている価値観みたいだが、定まった和訳がなく、そのままカタカナ語で使われているみたいなので、小欄でもこの慣例にならった。
まぁ、上の発言では「精霊」まで持ち出さぬとも、単に「ペットとの共存」くらいに捉えておけば良いだろう。
ペットの共同親権については、2021年10月27日の小欄で取り上げたが、その時、随分、愛玩動物がニンゲンっぽくなったなぁ、と思ったものだが、あれから、約3年経って、今度は、親権を巡って発生する問題も、ニンゲンっぽくなってきた。
写真はペットの親権をめぐるカップルのイメージ画像(本文とは関係ありません)。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20241001/indemnizada-600-euros-expareja-no-ver-perro/16269777.shtml