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1/12 ニュースなスペイン語 Carta a los Reyes Magos:三博士へのお手紙

日本なら「サンタさんへのお手紙」といったところか。

スペインでは、7日の小欄でも触れたように、こどもたちにプレゼントを持ってきてくれるのは「東方の三博士」たち。

最近ではサンタクロースもやって来る家庭もあるみたいだが、三博士信仰は根強い。

あのロボットも欲しいな。やっぱ、こっちのタブレットにしちゃおうかな!でも、そっちのラジコンも欲しい!あ〜、迷っちゃうよぉ。え〜〜っい!全部書いちゃえ!

子供の欲が際限ないのは、洋の東西を問わない。

三博士への手紙(a modo de carta a los reyes magos)よろしく、あれもこれも要求してきて、潜水艦まで(hasta un submarino)欲しいと言い出した――。

この困惑気味の発言の主は環境大臣(ministra para Transición Ecológica)テレサ・リベラ(Teresa Ribera)。

そして、中央政府に潜水艦まで要求したのは、昨日の小欄でも紹介したプラスチックペレット(pélets de plástico)が大量に漂着したことで、海洋汚染(contaminación marina)の警戒レベルを2に引き上げたガリシア州政府(Xunta)だ。

リベラは、ガリシア州に対して、ペレット除去(retirada;limpieza)のために、最大限協力する用意(disposición máxima a la colaboración)があるとしながらも、

プレステージ号の事故の時の3倍を超えるような支援はご勘弁頂きたい。首尾一貫した方針でいきましょう(No me pida usted casi tres veces más de lo que pidió con el Prestige; seamos coherentes)

と述べ、このような法外な申し出は「無責任極まりない(una gran irresponsabilidad)」と断じた。

プレステージ号の事故については、随分前の小欄(2022年11月15日)でも触れていて、このギリシャ船籍のタンカーが2002年にガリシア沖で真っ二つに割れ沈没。

その結果、石油が流出し、ガリシア州などの海岸にアスファルト(chapapote)状になって大量に漂着したことがあった。

リベラとしては、ペレット入りのコンテナが紛失したのが、水深が大変深い海域(aguas muy profundas)なので、潜水艦を使っても意味がない(es imposible utilizar un submarino para no se sabe qué)ため、陸にたどり着いたペレットを除去する手段(medios terrestres)の方に重きを置きたい構え。

中央政府と地方政府の見解の溝は埋まらない。

写真はペレットを除去するボランティアの女性(voluntaria)たち。

ほうき(escobas)やふるい(coladores)、また、写真のようなフルーツバスケット(capachos)を手に海岸に集まるボランティアには頭が下がる。

ボランティアらは、ペレット流出は「悲しいことだし、無力感もある(Hay tristeza e impotencia)」としながらも、「連帯の喜びもある(también la alegría de la solidaridad)」と口にしているという。

トップが舌戦を繰り広げている間にも、在野のボランティアたちは黙々と作業をしている。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240110/ribeira-zona-cero-vertido-plasticos-galicia/2470795.shtml