3/18 ニュースなスペイン語 Grabados:刻画
100点以上の刻画(写真)がカタルーニャ州タラゴナで発見された。
もう少し正確に言うと、刻画そのものは、洞窟の調査チーム(un grupo de espeleólogos)によって、昨年5月に発見されていたようだが、その発表が17日に行われたということ。
銅器時代(periodo calcolítico-bronce)のものとされている。
銅器時代は、日本ではあまり馴染みのない歴史区分だが、すごく大雑把に言うと、日本の縄文時代の後期くらいにあたり、紀元前4300年〜3200年くらいに相当する時代。
刻画群は、ラ・ファブロー(La Febró)地区のコバ・デ・ラ・ビラ(Cova de la Vila)という手つかず(intacta)の洞窟(cueva)で見つかった。
刻画は、調査チームによると、類い稀な存在で、素晴らしい保存状態からも、極めて、例外的(excepcionales tanto por su singularidad como por el excelente estado de conservación)と大きく評価する。
コバ・デ・ラ・ビラは、どうやら、40年間に渡って調査されてきたものの、その所在(ubicación)がなかなか特定できていなかった洞窟のようで、内部はおよそ90平方メートル。刻画は全長8メートルに及ぶ空間(panel de 8 metros de largo)に描かれているとのこと。
まだ、研究(fase de estudio)は始まっていないが、刻画の映像を見た研究者は、地中海沿岸の洞窟に描かれた、後期石器時代の図式・抽象美術の中で最高傑作(las mejores composiciones de arte esquemático y abstracto subterráneo postpaleolítico de la cuenca mediterránea)と大絶賛。
ジグザグ(zig zags)、直線(trazos lineares)、四角(anguloso)、丸(círculos)といった形が、石や木(piedra o madera )、もしくは、指(dedo)で刻まれていて、当時の宇宙観(cosmovisión)を表しているらしい。
牛(bóvidos)や馬(equinos)のような、四足(cuadrúpedas)の動物みたいなもの(zoomorfos)が刻まれている。
ただ、洞窟の壁の表面が柔らかく、湿気が多い(una superficie blanda y húmeda)ため、今後の保存に悪影響が出かねないとのこと。
そのため、カタルーニャ州政府(Generalitat)などは洞窟の閉鎖(cierre)を決定。同時に、さらなる援助などを可能にするため「国家規模文化遺産(Bé Cultural d'Interés Nacional)」に指定した。
今後はフォトグラメトリ(写真計測(fotogametría(sic))やレーザスキャン(escaneo laser) などを駆使して、刻画を外気にさらさないように、研究が行われる。
イベリア半島の太古の芸術作品と言えば、カンタブリア州のアルタミラ洞窟(Altamira)の壁画が有名。
これは普通、絵(pintura)と評されるが、今回の発見は、少なくとも今のところは「壁に刻んだもの」という認識。
上の写真は歴史の教科書にも載っていたが、これからは、タラゴナ洞窟も追加されるかも!?
写真は今回発見された壁画の一部。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230317/cueva-tarragona-grabados-prehistoricos/2432071.shtml