11/22 ニュースなスペイン語 Grave error:重大な過ち
第二期ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)政権の中核メンバーが確定した。
何事もなければ、この布陣で次の4年間の任期満了を目指すことになる。
さて、上の写真の1列目が副首相(vicepresidenta)だが、4人が全員とも女性。
左から第1副首相のナディア・カルビーニヨ(Nadia Calviño)、その隣が第2副首相のヨランダ・ディアス(Yolanda Díaz)。
その隣に、第3副首相テレサ・リベラル(Teresa Rivera)と第4副首相マリア・ヘスス・モンテロ(María Jesús Montero)が続く。
第2副首相のディアスを除き、全員、スペイン社会労働党(PSOE)だ。
あと、2列目の1番左からにいるのがフェリス・ボラーニョス(Félix Bolaños)で、サンチェスの懐刀。
首相省(Ministerio de Presidencia)の大臣で、スーパー大臣(superministro)と称される程、今回の政権では、様々な権力が集中するらしい。
これについては、また、どこかで取り上げよう。
そして、他の大臣職でも、8人の女性が占め、全22の役職の内、12名が女性という「女性主体の色合い(acento feminista)」が強い執行部(Ejecutivo)となった。
この布陣について、いろいろな視点から分析できそうだが、また、稿を改めるとして、今回はかつての連立パートナーを務めたポデモス(Podemos)の反応をみておこう。
スペイン社会労働党の新たな連立パートナー(socio de coalición)となったスマール連合(Sumar)には、当初の約束通り、5つが与えられた。
これは、元パートナーのポデモスが保持していたのと同数。
しかし、今やスマールに呑み込まれた形のポデモスは大臣職にありつけず、同党代表のイオネ・ベララ(Ione Belarra)は、次のように、連立トップのふたりを批判した。
我々ポデモスを政府から追い出すというサンチェスとディアスの決意が今日、確定した。これは不当なだけでなく、何より、政治にとっては、重大な過ちだ(Hoy se confirma la decisión de Pedro Sánchez y Yolanda Díaz de vetar a Podemos en el gobierno. Una decisión no sólo injusta sino ante todo un grave error político)。
ポデモスの報道官も次のように恨み節をぶちまけた。
サンチェスとディアスは執行部からポデモスをつまみ出した。これで、閣議には、経済、司法、メディアの各方面に迷惑をかけるヤツがいなくなった(Pedro Sánchez y Yolanda Díaz han echado a Podemos del Gobierno para que en el Consejo de Ministros no haya nadie que incomode de verdad al poder económico, al poder judicial y al poder mediático)。
うるさがたがいて、しっかりパートナーの暴走をたしなめる役割がいるのが連立の良さ(でもあり、煩わしいところ)。
その意味で、社会労働党・ポデモス連立政権は足並みが揃わず、不協和音がよく鳴り響いていたが、まぁ、うまく機能していた。
さて、スマールは単なるイエスマンか、それとも、しっかり、ブレーキ役になれるのか。
写真は厳しい表情でインタビューに答えるベララ。
ところで、顔の彫りが深いと、こんなにも影がつくんだなぁ。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20231120/sanchez-ministros-nuevo-gobierno/2461300.shtml