9/5 ニュースなスペイン語 Cáncer de pulmón:肺がん
スペインでは年間、2万2000人が肺がんで亡くなるという。
そんな状況で、あまり日本では馴染みのない治療法がスペインをはじめとした、多くの国で進められているというニュース。
どうやら、肺がんに対するワクチン(una vacuna)の臨床試験(experimental)が行われていて、バレンシア州の患者たちがワクチン接種を受けるらしい(recibirán)。
このワクチンには開発番号「BNT116」が付いていて、メッセンジャーRNA(ARN mensajero)という仕組みを利用している。
メッセンジャーRNAは、医学素人でも覚えている、あの新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンにも使われていたシステムだ。
従来の治療法(tratamientos clásicos)の化学療法(quimioterapia)や放射線治療(radioterapia)はがん細胞(células del tumor)に直接作用し、死滅させる(neutraliza directamente)ことを目的とする。
これに対して、肺がんワクチンは、専門家によると、患者の免疫システムを高め、免疫細胞自体ががん細胞を攻撃し、最終的にはこれを除去する(potenciar el sistema defensivo del paciente para que sea él quien ataque a las células tumorales y las elimine)という。
肺がんワクチンは10年くらい前から単独(solas)ないし化学療法との併用で成功をおさめていて、5年生存率(supervivencia a cinco años)が5%から20%に伸びている(del 5% al 20%)という。
肺がんワクチンの臨床試験はジョージア(旧グルジア(Georgia))、韓国(República de Corea)、アメリカ合衆国(Estados Unidos)など、世界の55の研究機関で行われていて、スペインでもバレンシア州をはじめ、マドリード州やアンダルシア州などで被験者を募集している(reclutar)。
ちなみに、被験者は次の要件(requisitos)を満たしている必要があるそうな。
①非小細胞肺がんの診断を受けていること(Ser diagnosticado de cáncer de pulmón de no células pequeñas)。
②以前に他の治療を受けていないこと(No haber recibido tratamiento previamente)。
③がんが進行している状態にあること(Encontrarse en un estadio avanzado)
④PD-L1と呼ばれるがん細胞マーカーを50%以上発現していること(Sobre expresar en más del 50% un marcador de las células tumorales llamado pdl1)。
⑤他の疾病を患っていないこと(No padecer otras enfermedades)。
門外漢にはやや負担のある解釈になるが、①の「非小細胞肺がん」とは増殖速度が比較的遅く、転移や再発が起こりにくいタイプらしい。
④は、ごめんなさい、全くわからない。
しかし、まぁ、③にも関わらず②というのは、どういう人なのか分からないが、そもそも、従来のがん治療を信じていない人なのかしらん。
いずれにせよ、試験的なワクチンとは言え、かなり、狭き門。
写真はメッセンジャーRNAのイメージ。
ワクチンはアメリカのリジェネロン社(Regeneron)とドイツのビオンテック社(BioNTech)が共同で開発されている。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240903/pacientes-comunidad-valenciana-reciben-vacuna-experimental-contra-cancer-pulmon/16234909.shtml