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8/27 ニュースなスペイン語 Lenguaje de los delfines:イルカの言語

戦時下にあるウクライナから2頭のシロイルカ(beluga)が6月19日の早朝、バレンシア水族館(Oceanográfic de Valencia)にやってきた。

2頭は「プロンビル(Plombir(写真中央))」と名付けられたオスのシロイルカと、「ミランダ(Miranda)」と名付けられたメスのシロイルカだが、専門家たちはあることに気づいたという。

それは、2頭が先住のバレンシア生まれのシロイルカたちとは違う言語を使っていて、2頭はイルカの言語を使っている(no hablaban el mismo idioma que las belugas valencianas, sino que se comunicaban mediante el lenguaje de los delfines)ということだった。

専門家らによると、プロンビルとミランダはウクライナにいた時、 バンドウイルカの一家(los delfines mulares)と共に飼育されていたこともあり、2頭はその間にイルカ語(←小生の造語)を習得したことから、バレンシア水族館のシロイルカたちとは、イルカ語で話していることが分かったらしい。

ただ、そんなことばの違いも何のその、2頭は新しい仲間たちと日増しにコミュニケーションが取れるようになってきているという(A pesar de ello, parece que cada día se entienden mejor con sus nuevas compañeras)。

ところで、日本語ではシロイルカには「イルカ」という語が入っているが、スペイン語では「delfín blanco(白いイルカ)」とも表現するものの、基本的には、ふつうの「イルカ(delfín)」とは違う単語を使い、区別する。

イルカもシロイルカも哺乳類(の中の鯨偶蹄目)で大きいくくりでは同じ仲間だが、イルカはクジラの仲間(というか、むしろ、生物の分類学上は、イルカとクジラは区別しない)で、シロイルカはイッカク(以下の写真)の仲間らしい。

従って、イルカとシロイルカのそれぞれの言語も違うのだろう(スペイン語とカタルーニャ語の違いくらいかしらん)。

専門家らによると、今後、ウクライナから来たシロイルカたちはバレンシアのシロイルカの音を取り入れ(las belugas ucranianas "incorporarán los sonidos de las de Valencia)、一方のバレンシアのシロイルカたちは、今、耳にしているウクライナのイルカたちの音を取り入れる(las de Valencia integrarán los sonidos de los delfines de Ucrania)ことになるという。

飼育員たちは、オスのプロンビルは素早く適合し(se adaptó muy rápido)、食事の時間にはいち早く来るようになったが(en seguida venía a comer)、メスのミランダの方は、慣れるのに少し時間がかかった(le costó un poco más)と回想している。

戦火の下では、2頭は食料も薬も十分には与えられていなく(donde no contaban con alimento y medicación)、バレンシアに到着した時にはかれらの健康状態はかなり安静が必要な状態だったが、次第に、後遺症から立ち直ってきた(su salud era muy delicada, pero poco a poco, se han recuperado de las secuelas)という。

ウクライナとバレンシアのシロイルカたちがどのようにお互いの言語を真似てゆくのか。

写真はウクライナから来たシロイルカたち。

ちなみに、シロイルカを意味する「beluga」は、ロシア語で「白」を意味する「belo」と増大辞の「-uga」が合わさって出来たことばらしいので、原義は「白くてデカイ」という感じだろう。

ということは、「べラルーシ(「白いロシア」の意)」と語の造りは一緒のようだ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240823/belugas-rescatadas-ucrania-del-oceanografic-valencia-hablan-lenguaje-delfines/16225901.shtml