10/26 ニュースなスペイン語 Tasa de estar:ショバ代
Tasaは直訳すれば「金利」とか「税率」のこと。
Estarは「いること・あること」。
だから、「tasa de estar」はどこかに滞在する際に払う代金を意味する(のだろうが、初めて見た語なので、いまいち訳し方が分からないが、まぁ、記事を読んでみると、こういう理解で良さそう)。
で、今回は、あまり品が良い言い方ではないが、「ショバ代」としておいた。
カンタブリア州のリアーニョ(Liaño)にある「ソリーア(Solía)」というバルが、客にショバ代を請求し(cobrar)、物議を呼んでいる。
このバルでは、数人で来店した際、カウンタなりテラス席で、何も注文しない(no consuman nada)客に、1.5ユーロ(約221円)を請求することを決めた。
小額だがインパクトはある。
バルのオーナー(propietario)で、同店のカクテルバーテンダー(coctelero)も務めるオスカル・ソラノ(Óscar Solano(写真))は次のように話す。
ひとつのテーブルを6人で使って、わずか4人しか注文しなかったとしましょう。そうしたら、(何も注文しないで席を占有している人のせいで)ウェイティングのお客さんたちに、今は席が用意できないと告げなくちゃいけない(Hay momentos en los que entra una mesa de seis personas y solo consumen cuatro. Le tienes que decir a la gente que está esperando que no pueden sentarse)。
また、次のコメントもなかなか秀逸だ。
飲食業のスペースもまた商売のうち、ということを我々がお客さんに教えていかないと(Hay que educar a los clientes en que un local de hostelería es un negocio)。
こうした塩対応に客の側も二分しているようで、受けてもいないサービスのためになぜ金を払わなければならないのか(no entienden por qué van a cobrar por un servicio que no dan)と納得してない客もいれば、バルに来て、何も注文しないのは、場所がもったいない(estar en un bar y no consumir es una pérdida para el local)と、店の対応を擁護する客もいる。
この方策を実施して約1ヶ月半が経ったようだが、請求したのは、せいぜい5回ほど(no se ha tenido que aplicar más de cinco veces)だそうだ。
とは言え、
大体のお客さんには理解してもらってるよ(por lo general, la gente entiende)
とのこと。
あと、こどもからは滞在料を徴収しないと言うが、こどもために何も頼まないというのは、オスカル自身は納得できてないようだ(no ve lógico que no pidan nada para ellos)。
オスカルの店のショバ代制度にはマスコミも注目しているようで、ここ数日のいろいろな記事に登場している。飲食の専門サイトにも出てくるところを見ると、今後、飲食業界から、いろいろな反響があるかもしれない。
ショバ代方式が広がるか否か――。スペインのバル文化にとっては結構重要なポイントだ。
写真はバルのオーナーのオスカル・ソラノ。カンタブリア州で店を構えて10年以上が経つ。カクテルの様々なコンクール(competición)に出場し、これまでに4回ほどカクテルチャンピオン(Campeón de España de Coctelería)を受賞しているという。