10/3 ニュースなスペイン語 Por supuesto:もちろん
記者の、スペインに暮らしたいか(le gustaría residir en España)との問いかけに、とある人物はタイトルのように答えたという。
ところで、ここ数週間、誰が次期首相に就任するのか(investidura)とか、合意なきキス(beso sin consentimiento)やら、そして、昨日の小欄でも紹介したように、ディスコ火災史上で3本の指に入るような惨事があったりして、この人物のことは、全くのノーマークだった。
アラブ首長国連邦のアブダビで隠遁生活を送っているフアン・カルロス1世(Juan Carlos I)上皇(Rey emérito(写真右))のことである。
フアン・カルロス1世がガリシア州ポンテベドラのサンシェンショ(Sanxenxo)を訪問していたらしい(すっかり見落としていた)。
今回がアブダビに渡ってから、4回目となる訪問(cuarta visita)(なお、フアン・カルロスがスペインに来る際、記事では極力「帰ってくる」「戻ってくる」という表現を使わないみたいだ)。
小欄でも何度か紹介したが(直近では4月12日、25日)、フアン・カルロスはサンシェンショにペドロ・カンポス(Pedro Campos)なる友人がいて、上皇の滞在中、自宅に宿泊させるなどの面倒を見ているのだが、今回もそうだったらしい。
フアン・カルロスはサンシェンショにヨットを保有していて、かつては、ヨットレース(regata)にも参加したこともあった。最近では天候に恵まれず、レースには出ていない。
今回もレースには出場せず、大会での入賞者らにトロフィーを授与する(entrega fe trofeos)するなどの行事(acto)に参加するだけだった。
上皇は滞在中、妹のマルガリータ王女(I fanta Margarita)など、様々な親族の訪問を受けた(ha disfrutado de la visita de varios familiares)。
しかし、国王であり、自身の息子でもあるフェリペ6世との再会は、今回も、果たせなかった(aunque no se ha encontrado con su hijo Felipe VI)。
フェリペ6世は上皇がサンシェンショに滞在中、別の公務で同地から約15キロ程のところにいたらしいが、再会はなかった。
サンシェンショを発つ前に、上皇は「いろいろありがとう。素晴らしい滞在だった(Muy bien, estupendamente. Muchísimas gracias por todo)」と言って、7日間の滞在を終え、朋友カンポスが運転する車で、ビーゴ(Vigo)空港に向かった。
10時ちょっと前、フランスのニース(Niza)に向けてスペインを後にしたという。
フアン・カルロスは現在85歳。随分な高齢だ。自身の招いたゴタゴタの結果とはいえ、故郷で暮らせず、子供や孫にも会えないというのは、さぞかし無念だろう。
写真はフアン・カルロス1世(右)と妹のマルガリータ王女。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20231002/rey-emerito-abandona-sanxenxo-cuarta-visita/2457323.shtml