6/6 ニュースなスペイン語 Orcas:シャチ
実は数日前から気になっていたニュース。
2020年の7月ごろから、主にジブラルタル海峡(Estrecho)やガリシア州海域でシャチの目撃(avistamiento)が744件ほど報告されていて、その内の505件で、シャチが船舶(embrcación)に激突してきたという。
シャチからの衝突を受けた船の内、約20%は故障により航行不能(averías que han impedido navegar)になり、内3隻は座礁した(han naufragado)という。
シャチによるこのような激突はこれまで記録されたことはなく、その理由はまだ分からない(Se trata de un comportamiento que no se había registrado antes, y cuyas motivaciones se desconocen)らしい。
ある専門家は「攻撃(ataque)」という言葉を避け、あくまでも、「接触(interacción)」という言葉を使い、次のように説明する。
人とシャチとが接触した場合、多くの場合、シャチは人のことを食べるなどの攻撃的な態度は示しません。だから、もし、乗員が海に落ちたとしても、恐らく、何も起こらないでしょう(En la mayoría de las interacciones, los animales no tienen una actitud agresiva, y desde luego no quieren comerse a nadie. Si algún tripulante se cayese al agua, seguramente no le pasaría nada)。
シャチのこうした新しい行動(novedoso comportamiento)の真の理由(motivación real)は分からないが、色々な仮説(hipótesis)が提案されている。
そのひとつは、単なる遊び(juego;entretenimiento;diversión)という考え。
他にも、最初は偶発的だった激突行為が、後に繰り返されて、他の種にも伝わった(comportamiento inventado que luego repiten y transmiten)という考え方もある。
つまり、流行(moda)を作り出し、それを実践しているという説。
何やら、かつて、アメリカのプジェット海峡(Estrecho de Puget)では、シャチたちが頭の上に死んだ鮭を帽子のように乗せる流行があり、これが1か月半ほど続いたとのこと(comenzaron a ponerse un salmón muerto en la cabeza a modo de sombrero y abandonaron el hábito mes y medio después)。
そして、最初のきっかけ(en el primer momento)は、復讐(venganza)という感覚(sentimiento)によって引き起こされた行為が、後に他のシャチたちが真似た、という説もある。
専門家は次のように話す。
自然界にはこうした復讐はあり、特に霊長類では普通のことです。シャチの認知能力は極めて高く、霊長類に匹敵するくらいなのです(existe y es muy común en la naturaleza, especialmente entre primates, y la orca tiene un nivel cognitivo muy alto, comparable al de los primates)。
どの説も、シャチが、人の次(después de la humana)に文化を造る動物であることが前提となっているのが面白い。
船を壊された人たちは気の毒だが、シャチのコミュニティに勝手に入って来てるのは人間なのだから、まぁ、郷に入りては……の(ちょっとだけ高度な)精神で流行(遊び・復讐)が去るのを待つしかないか。
写真はシャチ(本文とは、多分、関係ありません)。
ちなみに、シャチは、多くの場合、小さい集団でヨットなどの舵に激突し、高速で逃げて行く(un pequeño grupo de orcas golpea los timones de pequeñas embarcaciones, como veleros, y se aleja a gran velocidad)そうだ。
昔の子供たちのイタズラの定番、ピンポンダッシュを思い出す。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20230604/orcas-golpean-barcos-costa-espana-gibraltar-galicia/2447872.shtml