見出し画像

1/29 ニュースなスペイン語 Caso Alves:アルベス事件

ダニ・アルベス(Dani Albes(写真))はブラジル国籍のサッカー選手。FCバルセロナの所属だった。

アルベスは昨年12月30日、バルセロナ市内のクラブ内のトイレで、女性への性的暴行容疑(presunta agresión sexual)で逮捕され、その後、収監された(prisión sin fianza)。

著名人が性的暴行容疑で起訴されるニュースはあまり珍しいことではないのだが、今回、取り上げるのは、クラブ側の取った、暴行への迅速な対応だ。

バルセロナ市内の40ヶ所の、クラブなどの夜の社交場(ocio nocturno)は、「私たちは黙っていない(カタルーニャ語:No callem;スペイン語:No callamos)」と銘打つガイドライン(protocolo)に加盟している(adheridos)。

このガイドラインは、2018年に、フェミズム運動の高まりに後押しされる形で成立したもので、従業員(personal)や警備員(vigilante de seguridad)は、このガイドに基き、暴行が発生した時の、被害者への対応などの研修を受ける(recibe la formación)。

暴行事件が起きたクラブ「サットン(Sutton)」の警備員たちは、被害者の女性(23歳)が泣きながら、友人たちと店を出ようとしているところを確認(Los vigilantes de seguridad de Sutton se dirigieron a la víctima, una joven de 23 años, cuando advirtieron que estaba llorando y se disponía a salir del local junto a sus amigas) 。

被害者と話した後、スタッフルームに連れてゆき、そこから自治州警察に通報した(Tras hablar con ella, se la llevaron a una oficina desde la que alertaron a los Mossos d'Esquadra)。

すぐさま、被害者は告訴状(presentó su denuncia)を提出し、諸々の検査のために病院に搬送された。その一方で、被害者から告訴状が提出されたことで、警察は捜査が開始でき、容疑者の検挙に繋がった(la joven , se la condujo al Hospital Clínic para ser examinada y los agentes abrieron la investigación, que ha culminado con la entrada en la cárcel de Alves)。

クラブのスタッフたちが、現場での異変にいち早く気づき、スピードをもって対応したことが功を奏した。様々な物証が消える前に動けることは容疑者検挙に大変有利だ。

 バルセロナの「私たちは黙っていない」ガイドラインと同じようなのが、以下に見るような「アンジェラのことを訊いて(Ask for Angela(Pregunta por Ángela))」キャンペーンだ。

これは2016年にイギリスで展開されてキャンペーン。「アンジェラ」は被害を受けた女性が、いち早く、そして、加害者に知られずに、被害のことを店のスタッフに訴えるための合言葉だ。

「最近、アンジェラ、どう?」
「今日、アンジェラ来てる?」

バリエーションはいくらでもある。

こんな合言葉やガイドライン自体が必要ない店が理想だが、絵空事たけでは解決できない現状がある。

写真はダニ・アルベス。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230125/caso-alves-protocolos-agresiones-sexuales/2417322.shtml