見出し画像

12/2 ニュースなスペイン語 Nefasta gestión:最悪な対応

バレンシア州で200名を超える犠牲者を出した大惨事からちょうど1ヶ月が経過した先月29日、各地でデモが行われ、参加者らは同州知事のカルロス・マソン(Carlos Mazón)の辞職を改めて訴えた。

デモは夕刻7時30分に開始したが、人々は8時11分になると、一斉に携帯のアラームを鳴らした(los vecinos han hecho sonar la alarma)という。

災害当日のこの時刻、実は、当局から、バレンシア州内でのいかなる移動も避けるよう住民に呼びかける(advirtiendo a la población de que evitara cualquier tipo de desplazamiento en la provincia de Valencia)警報(Alert de protección civil)が出され、この発出のタイミングの遅さが被害を拡大したのではないかとも言われている。

携帯でこの時刻にアラームを鳴らすことで人々は州当局による「最悪の対応」に抗議の念(señal de protección)を示した。

以下の写真では、ちょっと見えづらいが、被災地の地区の名前とそこで亡くなった犠牲者の数を書いた紙(el nombre de la población y la cifra de fallecidos en cada uno de ellos)を持つ参加者が写る。

左端の男性の手には、最も被害が深刻だった「パイポルタ地区(Paiporta)」の名が見え、その下には「45」とある。

他にも「知事はピカセント(刑務所)に入れ(el president, a Picassent)」とか「知事が呑気に昼食を楽しんでいる間、人々は溺れ死んだ(mientras él comía, la gente se ahogaba)」などの声が聞こえたという(なお、「知事の昼食」については、11月9日の小欄を参照)。

また、バレンシアの伝統的な「火祭り(fallas)」で燃やされるハリボテ(ninot)」にマソンを例え、「我々は(役立たずの)知事のハリボテは要らない(no queremos un ninot de president)」とも声を上げたという。

今回は11月10日で紹介した程の人々は参加しなかったが、30を超える市町村で100名近い人々がデモに駆けつけたという。

前回のような極右グループが先導・扇動することもなかったので、画面から受ける印象は静かなものだが、それ故、人々の切実な辞職要求がヒシヒシと伝わってくる。

写真は「マソンは辞職せよ」とお決まり文句が書かれたプラカードを持つ女性。

その下には「泥をあんたの家に!」とも書かれている。

別の記事には「40トンの泥を運び出したけど、やっと、通りが1本が片付いただけ(Recogemos 40 toneladas de barro al día y solo hay una calle limpia)」という住民の声が紹介されている。

他の記事には、復旧作業の中、泥だらけになりながらも笑顔を見せる男性の姿もある。強い。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20241129/vecinos-dana-sonar-alarmas-dimision-mazon/16353266.shtml