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10/18 ニュースなスペイン語 Papel relevante y de responsabilidad:中心的かつ責任ある役割

16日と17日の小欄でも紹介したように、ここ数日で「コルド案件(caso Koldo)」の話題が再燃し、これをめぐり「外野」が騒がしかったのだが……。

しかし、ここに来て、いよいよ、「本丸」も忙しくなってきた。

ちなみに、最近ではこの汚職疑惑について、「caso(案件;事件)」と共に「trama」という語も使われ始め、「コルド陰謀;コルド策略(trama Koldo)」との表現も出てきた。

それはさておき・・・。

1週間ほど前から、この疑惑に関与したとされるホセ・ルイス・アバロス(José Luis Ábalos(写真))について、汚職専門検察(Fiscalía Anticorrupción)から、アバロスの「中心的かつ責任ある役割(papel relevante y de responsabilidad)」を認める動きが出始め、アバロスの関与がグレーだった「疑惑」から、より「黒」に一歩、近づいた。

2月28日の小欄でも紹介したように、アバロスは、コルド案件への関与が取りざたされて間もなく、運輸大臣(Transporte)をはじめ、様々な要職を辞任しつつも、現在は少数政党による国会会派(Grupo Mixto)にひっそりと身を寄せている。

とは言え、アバロスの国会議員(正確には「下院議員(diputado en el Congreso)」)としての資格はまだ有効なままなので、攻める側の検察と裁く側の裁判所はいろいろな対応に追われている。

まず、汚職専門検察は証拠(indicios)が出揃ったとして、アバロスを贈収賄(cohecho)、優越的地位の濫用(tráfico de influencias)、そして、組織犯罪(organización criminal)の容疑(presuntos delitos)で、立件することを目指し、最高裁判所(Tribunal Supremo)に対しては、アバロスを有罪するよう求めた(ha pedido que impute)という。

他方、最高裁は、アバロスが未だ籍を置く下院議員の議長(presidenta del Congreso)フランシナ・アルメンゴル(Francina Armengol)に対して、アバロスの議員資格の条件に関する証明書(certificación acreditativa de la condición de diputado)を発行するよう要請した(expidiera)。

国会議員には法的にいくつかの特権(condición de aforado)が保証されていて、みだりに、自身の発言を理由に起訴や逮捕されることはなく、裁判手続きをする際には、最高裁がこれを執り行う(de ser investigado, deba hacerlo el Supremo)ことが定められているらしい(が、このあたりの事情は、小生もよく分からず、もしかしたら、誤解しているかもしれないので、後日、適宜、修正してゆく)。

昨日、渦中のアバロスが国会から出てきた際、ある記者が検察などの動きについて突撃質問したところ、「思ったとおり(era de esperar)」、最高裁で有罪判決(imputación)が出る可能性については、「すべて、ありうる(todo es posible)」と応じたという。

つまり、「可能性はひとつではない」ということだから、当然、アバロスは無罪を主張してゆくだろうし、それを望んでいる。

現政権最大の汚職疑惑に司法はどのように切り込むか、そして、アバロスが有罪になった時、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)政権はどのような影響を受けるか・・・。

写真はアバロス(本文の内容とは関係なく、参ったなぁ的な表情の写真を意図的に選んだ)。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20241016/fiscalia-anticorrupcion-solicita-juez-del-caso-koldo-pida-supremo-imputar-a-abalos/16290469.shtml など