7/3 ニュースなスペイン語 Desahuicio:立ち退き
カタルーニャ州バルセロナに在住する54歳と64歳の姉妹が日曜日の未明、投身自殺で死亡した。
死亡した女性らの手には、裁判所からの立ち退き命令書(con una orden de desahucio en la mano)が握られていたという。
ふたりの母親が2021年に新型コロナウィルスで死亡した時から(cuando su madre murió por covid)、家賃(alquiler)の滞納が始まり、とうとう、2年後の去年5月、家主(dueño)は未払い(impago)を理由に姉妹を告発した(denunció)。
ふたりの住まいはバルセロナ市内のサン・アンドレウ(Sant Andreu)地区にあり、未払い総額は2年間で9000ユーロ(約156万円)にまで膨れ上がっていた。
姉妹が命を絶ったまさにその日の数時間後には、第一回目の立ち退き執行(primer intento de desahucio)が行われる予定だったという。
バルセロナ市役所(Ayuntamiento de Barcelona)によると、社会制度サービスがふたりの姉妹に接触した形跡はなかった(los servicios sociales no pudieron contactar con ellas)という。
市には立ち退きを回避するための仲裁部署(Procesos de Pérdida de la Vivienda y Ocupaciones;SIPHO)があるが、手続きのためには姉妹が生活困難状態(vulnerabilidad)であることの証明が必要で、SIPHOの専門調査員たち(Profesionales)はふたりの住まいを何度か(en diversas ocasiones)訪ねたが、面会は叶わなかったという(nunca se logró contactar con nadie)。
これは自殺ではなく、殺人である。立ち退きを理由とした死者がこれ以上でないように(No son suicidios, son asesinatos. Ni una muerte más por un desahucio)――。
これは、市民団体「借金で困った人たちを救う会(Plataforma de Afectados por la Hipoteca; PAH)が、姉妹が亡くなった日にサン・ジャウマ(Sant Jaume)広場で行った集会(concentración)で聞かれたスローガン(lema)。
バルセロナでは今年の3月にも、立ち退きに悲観した70歳の男性が自殺している。
写真は姉妹の住居。吹き抜けの中庭部(patio interior)にふたりは倒れていたという。
昨日に引き続き、明るいニュースではないが、非業の死を遂げた姉妹の冥福を祈るばかり。
アーメン。
出典https://www.telecinco.es/noticias/catalunya/20240702/mujeres-suicidio-barcelona-impago-alquiler-muerte-madre-covid_18_012917306.html