5/24 ニュースなスペイン語 Compra de votos(1):票の買収(1)
今月28日に大型選挙を控えたスペインで、ある騒動が耳目を集めている。
まだ、不明な点も多いので、取り敢えず、分かるところをちょこっと紹介しておこう。
舞台はアフリカ北西部にあるスペインの自治都市(ciudad autónoma)であるメリージャ(Melilla)。
イベリア半島の外にありながら、セウタ(Ceuta)と共に、スペインか定める規則に従う。
選挙もスペインの管理下で行われる。
さて、そんなメリージャで郵便によって投じられた票(votos por correo)が買収されたのではないか(presunto)との疑惑(sospechas)があり、不正(fraude)に関与したとされる人物10名が月曜日と火曜日の両日、逮捕された。
逮捕されたひとりが、メリージャ同盟(Coalición por Melilla)という政党の候補者リストの第三順位にいるモハメド・アフメド・アラル)Mohamed Ahmed Al-lal)という人物だったということに加え、買収されたのがメリージャ市議会(Asamblea)の3分の1の議員(un tercio de los representantes)の当否を左右する約1万票だったことから、スペイン国内で大きく報じられている。
しかも、メリージャ同盟の代表を務めるムスタファ・アベルチャン(Mustafá Aberchán)はこれまでも票の買収に関与したとして起訴されたことがあり、今回の逮捕者の中にはアベルチャンの親族(familiar)がいたことから、組織的、かつ、伝統的に、票の買収が行われていたとも考えられる。
メリージャは、他のスペインの自治州と異なり、郵便投票が多い州らしいが、今回の選挙では突出して多く(elevadísima)、全投票数の20%に当たる票が郵便によるものだったという(スペイン全体では郵便投票は約3%)。
この異常な数から、票買収の疑惑が持ち上がったらしい。
もうひとつ、今月の初旬、郵便投票の申請用紙(documentación del voto por correo)を配達していた郵便局員(carteros)が次々と襲撃され(asalto)、用紙が強奪(robo)された事案が発生していたことも、票の買収に関連しているようだ。
まだ、尾を引きそうな不正事件。
選挙まであと4日。果たして、公正な選挙を行うことができるのか。
写真は記者会見にのぞむ政府報道官(portavoz de Gobierno)のイサベル・ロドリゲス(Isabel Rodríguez)。
曰く
今回の件で明らかになったことは、スペインでは、何人たりとも法をすり抜けることはできないということ。特に選挙プロセスのようなセーフティーネットが確立しているところでは、まず、無理(Lo que se constata es que en España nadie puede saltarse las normas, mucho menos en un proceso garantista como es el proceso electoral)。
監視体制がしっかりしてるからこそ、おかしなこと(anomalías)が見つかったと胸を張る政府だが…。
そもそも、こうした不正が起こらないようにするのが肝要なんだろうけどね。
我田引水、モノは言い様。