1/21 ニュースなスペイン語 Separación de Poderes(2) :三権分立(2)
昨日の続報。
おさらいをしておくと…。
マヌエル・ガルシア・カステジョン(Manuel García Castellón(以下の写真))という裁判官が、昨年11月、カタルーニャ州前知事のカルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)らについて、テロ罪(un delito de terrorismo)の審議を始めるよう、最高裁判所(Tribunal Supremo)に要請。
そして、先日、このガルシア・カステジョンについて、第三副首相(vicepresidenta tercera)であるテレサ・リベラ(Teresa Ribera(下の写真))が、政治的にセンシティブなこの時期に(en momentos políticos sensibles)、ご自身の意見を表明する(pronunciarse)がお好きなようで(cierta querencia)などと批判した――。
こうしたリベラの発言は大きな波紋を広げたというのが現在の状況。
そして、昨日は、国民党(PP)の幹事長(secretaria general)のクカ・ガマラ(Cuca Gamarra(以下の写真))がリベラの更迭(desautoricen)を求めたところまで、紹介した。
で、新たな動きとしては…
まずは、リベラを支持した側のお話。
カタルーニャ共和主義左翼(ERC)の報道官(portavoz)であるマルタ・ビラルタ(Marta Vilalta)は、ガルシア・カステジョンを「政治的な妄想(obsesión política)」に取り憑かられているとした。
その上で、カタルーニャには「いかなるテロ行為もなかった(No hay nada de terrorismo)」として、ガルシア・カステジョンの発言を完全否定した。
カタルーニャ州で、独立派リーダーのプッチダモンをテロリスト呼ばわりするガルシア・カステジョンに対して厳しい声が上がるのは、まぁ、当たり前。
一方、裁判官らが構成する司法総評議会(Consejo General del Poder Judicial;CGPJ)と、ガルシア・カステジョンが所属する国家裁判所(Audiencia Nacional)は、一様に、カステジョン支持(defienden)に回った。
国家裁判所はガルシア・カステジョンの発言には政治的な意図(motivaciones políticas)はなかったとし、司法総評議会はリベラの発言を断固拒否する( un rotundo rechazo)との声明を出し、発言の際は過激にならぬよう(moderación)、 慎重さ(prudencia)と厳粛さ(mesura)を求めた。
リベラの発言はペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)政権の声だが、しかし、現段階ではサンチェスは何の弁明もしていない。
ここは、ヘタに動いて叩かれるより、沈黙を貫ぬく方が得策か(いやいや、日本人的な発想だな、これは・・・)。
写真はギリシア神話の正義の女神テミス像(ローマ神話では「ユースティティア」)。
海外では貧富の差を見ないよう目隠ししているものが多いが、日本では目隠ししていないバージョンもある。こちらは全体を見通して、公正な判断を下す、という含意があるみたい。