11/8 ニュースなスペイン語 Escudo laboral:労働者の盾
労働省(Trabajo)は今週の月曜日、「労働者の盾」となる法案を可決させる見通しとの発表をした。
巨大寒冷低気圧(DANA)によって甚大な被害を受けたバレンシア州の全ての雇用を救う(salvar todos los empleos)ことを骨子とした法案で、具体的には企業に特別雇用制度(ERTE)を発動し、被災地で仕事に行けなかった人を解雇することを禁止する(prohibición de despidos de las personas que no hayan acudido a trabajar)。
なお、上で特別雇用制度と訳した「ERTE」とは「一時雇用ルールのための諸手続き(Los Expedientes de Regulación Temporal de Empleo)」 の頭文字を取ったもので、有事の際、人件費を温存するために雇用主が従業員を一時的に解雇し、業績が回復した時に、再び雇用し直す制度、と小生は理解しているが、これについてはまた、勉強し直すことにする。
日本に同じ制度があるのかどうかわからないので、取り急ぎ、上記のように訳しておいた。
さて、法案可決までにはまだ時間があるので、労働省はさしあたり以下のようなガイドラインをSNSに投稿している。
まず、ガイドラインは「もしあなたの安全が脅かされるなら、仕事に行っては行けません」とのアドバイスから始まる。
そして、仕事を休んでも良い(Podrás ausentarte del trabajo)状況を以下のように例示する。
まず、移動することで安全が脅かされる時、もしくは、救出活動や復興活動が仕事と両立できない場合。
次に行方不明となっている親族を捜索したり、亡くなった親族に関わる業務にあたる場合。
住居を無くしたり、生活必需品などを調達できず、職場に行くことができない場合。
最後に、学校や介護施設などが閉鎖したり、公的サービスが破綻したことで、親族をケアしなければならなくなった場合。
行政が発行する文書で、これ程までに具体的なケースを列挙したものを、少なくとも、小生は見たことがないが、このような状況にある人々がバレンシアにあふれていることを想定しているのだろう。
写真は甚大な被害を受けた地域のひとつチバ(Chiva)。
バレンシアにもチバ(千葉)があることをこういうことで知るのも残念…。
出典https://www.rtve.es/noticias/20241104/trabajo-avanza-prohibira-despidos-dana/16315136.shtml