見出し画像

9/18 ニュースなスペイン語 Enfermedad hemorrágica epizoótica:流行性出血病

ちょっと前の話だが、気になっていた話題。

物騒な病名だが、ヒトでの感染が流行しているという訳ではないので、まずは、ご安心を。

かと言って、呑気ではいられない状況のようで、スペインでは6月から、北部を中心に流行性出血病が大流行していて、牛などの家畜(ganado vacuno)500頭以上が感染している(afecta)という。

蚊が介在し(transmitida)、ウイルスに感染した家畜は、発熱(fiebre)、体力低下(debilidad)、潰瘍(úlceras)、かさぶた(costras)、歩行困難(cojera)、 食欲不振(inapetencia)といった症状(síntomas)を発症するという。

カンタブリア州が現在のところ、もっとも被害が拡大していて、85頭の家畜が感染し、その内、19頭が死んでいるという。

ただ、専門家によると、感染しても、致死率はあまり高くなく(La mortalidad entre los animales de granja es muy baja)、感染した家畜を殺傷処分する義務はないらしい(no existe obligación de sacrificar al animal infectado)。

しかも、この流行り病から回復した牛は強力で、かなり、効果的な免疫を持っている(las reses que superaron la enfermedad generarían una inmunidad potente y bastante efectiva)らしい。

むしろ、懸念は後遺症(secuelas)にある。

感染した牛は雌雄関係なく歩行困難になりがちで、加えて、メスは流産(aborto)しやすくなり、オスは生殖能力が低下する(infertilidad)傾向にあるというが、まだ、 正確にその後遺症を断定することは時期尚早(aún es pronto para determinarlos con precisión)のようだ。

だから、予防第一で、感染が発生したエリアの周辺の地域や国(colindantes a zonas ya infectadas)でワクチンの接種を徹底することは大変意義深い(muchísimo sentido)と専門家は話す。

出血病のワクチンは家畜の疾病「ブルータング病(lengua azul)」のものによく似ているから、その製造も問題ないようだ。

幸先が良いニュースだが、畜産の現場の声は厳しい。

この出血病がスペインで流行して3年が経つが、最初のワクチンが先ごろ届いたばかりで、畜産家たちは接種のための順番をずっと待たなくてはならない(acaban de recibir las primeras vacunas y hay cola por parte de los ganaderos)とのこと。

農林水産省がずっと無策だった結果の尻拭いを今、我々がやってる(En este momento estamos pagando las consecuencias de una ausencia de prevención que ha habido por parte del Ministerio de Agricultura)――。

このように畜産家は嘆く。

スペインでオリーブやぶどうが熱波でダメになった時、日本でオイルやワインが品不足になったり、高騰したりした。

ただ、今回の家畜病の流行が日本の牛肉市場に、何か、影響を与えることは、多分、ないだろう。

けど……、用心はしないと。

写真は放牧されている牛たち(本文とは関係ありません)。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240827/vaca-ganado-norte-espana-infeccion-enfermedad-hemorragica-epizootica/16228660.shtml