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11/2 ニュースなスペイン語 Tranquilo, ya me lo pagarás luego:落ち着いて、支払いは後で良いから

被災地の商業施設(comercio)ではこんなことばが飛び交っているという。

今世紀最大(la peor del siglo)と評されている超大型低気圧(DANA)がバレンシア州に甚大な被害をもたらした。

今現在、205人の死者が確認されていて、この数字は今後も増えると見込まれている(que previsiblemente aumentará)。

無常にも、人が飲まず食わずで生活ができるとされる「72時間の壁(límite 72 horas;primeras 72 horas)」があっという間に経とうとしている。

そんな中、行政による救助活動が十分に行き届かない被災地で大活躍しているのがボランティア(voluntarios)たちだ。

スペイン各地からバケツ(cubos)やスコップ(いや「シャベル」か)(palas)、そして、食料品を満杯に積んだカート(carros hasta arriba de alimentos)を手にしたボランティアが続々と現地入りしているという。

そして、幸いにも被害を免れた地元の商業施設「バル・プリエト(Bar Prieto)」はすでに40時間以上も店を開けている。

店の機材のスイッチを切って、その分、お客様がスマホを充電できるようにコンセントを開放してます(Desconectamos las máquinas para que pudieran cargar sus móviles)――。

バル・プリエトの支配人(gerente)のことばだ。

そして、タイトルのようなことばがバルでは飛び交っていて、食べ物も飲み物も口にしていない人々に一時の安らぎが広がっている。

私たちは被災地にかかる橋のこちら側に住んでいて、皆が全てを失ったのを目のあたりにしてきました。中にはご家族を亡くされた方もいました。だから、私たちは救助を決めたのです(Vivimos al otro lado del puente y vimos a todas las personas afectadas que lo han perdido todo; incluso hay quienes han perdido a sus familiares, así que decidimos ayuda)――。

こう語るのは「トモシビ(Falla)」と銘打つ拠点を立ち上げた15人の若きボランティアたちの代表アルバ(Alba(写真左))だ。

トモシビは「食料品と今すぐに必要な日用品(Alimentos y enseres de primera necesidad)」を用意し、ネットで食べ物や生理用品(compresa)、靴(zapatos)やくつ下(calcetines)などを寄付して欲しいと投げかけると、「近隣の方たちが応じてくれました(Los vecinos del barrio han respondido)」とのこと。

また、隣町から歩いて、物資をカートに入れて運んできた青年は次のように話す。

店員さんが本当に親切でね。全てのものを格安で提供してくれたんだ。僕らが援助に向かうところだって分かってくれたんだろうね(El hombre se ha portado muy bien y nos ha dejado todas las herramientas a un precio muy bajo porque sabía que íbamos a ayudar)。

連帯(solidaridad)の輪が確実に広がっている。

セクハラ(acoso sexual)や女性蔑視(machismo)の話題が出る度にスペインへの見方がマイナスに傾くが、しかし、毎度のことながら、国が有事の際の連帯を見ると、やはり、スペインの底力を信じたくなる。

写真はトモシビのリーダー、アルバ(左)。

彼女の名アルバは奇しくも「夜明け」を意味する。

明けない夜はない。

写真
https://www.rtve.es/noticias/20241101/puente-solidaridad-valencia-se-une-para-enfrentar-tragedia-tras-paso-dana/16312003.shtml