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#23 有名建築家による公共建築は是か?非か?

みなさんこんにちは、NPO自治経営で活動している津山市の川口です。
下のリンクは個人用のアカウントで、こちらでも公共施設などをテーマに定期的に発信しているので、自治経営と併せてフォローもよろしくです。

さて、今回は有名建築家による公共建築という、なんとも書きづらいテーマについて綴っていこうかと思う。
というのも、僕は高校生の頃(今から35年以上も前のことw)から建築のデザインに興味を覚え、建築家になりたくて大学に進学し、以来、建築が趣味なのか仕事なのか分からないくらいの建築オタクとなり、当然ながら有名建築家による建築も大好物であったりするのだ。
出張などで色んな土地を訪れた際には、有名建築家が手がけた建築を巡ることは半ば状態化しており(笑)その大半は公共建築だったりするので、仕事と趣味とのボーダーラインは非常に曖昧な人間なのである。

そんな建築オタクが、ファシリティマネジメントを領域とする仕事を10年も続けてくると、建築に対する視点も大きく変わり、今ではそういった類の建築が好きなのか、嫌いなのかよく分からない状況となり、そのボーダーを行ったり来たりしていて、愛憎紙一重な感じだったりする(笑)

今回は建築好きの立場ではなく、公共建築を発注し所有する側の立場(公務員)として書いていくので、かなり辛口な本音も登場してくる。
大好きな建築をあまりディスりたくはないのだが、今回は本音でこの辺りのことを概説していきたい。


そもそも建築家とはどういう人たちなのか?

世間では建築家と呼ばれる職業の人たちがたくさんいるが、実はこれ明確な定義はない。

建築家ではなく、建築士はというと、こちらは明確に定義があって、国家資格である建築士資格(一級建築士・二級建築士・木造建築士)を有している人を指す。

一方で、建築家の定義には多くの解釈が存在しているため、正解というのはなのだが、もし気になる方には次の書籍をお勧めしたい。
建築家ではない著者が、少し外側から建築家を捉えていて非常に面白い書籍である。

ちなみに建築家と称される人の中には、世間一般的に建築家と認知されている建築家と、自称として建築家を名乗っている人がいて、なかなか悩ましい。
全体の総数から集団のイメージを図示化すると下のような感じだろうか。

建築に関わる人たちの属性イメージ(筆者作成)

あくまで僕の勝手なイメージだが、ざっくり集団の人数をカウントすると以下のような感じだろうか。(ここでは日本人に限定する)
①有名建築家:数十人〜数百人
②建築家:数百人〜数千人
③自称建築家:数千人〜1万人
④建築士:約100万人(*R2.4時点で建築士の登録者数は約116万人いるようだ)

サムネイルはGoogleで「有名建築家 日本人」と検索して出てきた画像

あと、僕が学生だった頃は、大手設計事務所と建築家とは完全に区分されていたが、最近はこのボーダーがはっきりしなくなっていて、大手設計事務所の中にも建築家的な人もかなり増えてきたし、実際、有名建築家と同じような立ち振る舞いをしている人も珍しくない。
ここは、後述するが、(大手)設計事務所と仕事をする時に、相手がどういった立場を自覚しているか、気をつけて見ていた方が良いと思う。
自称建築家を語り、プライドだけはやけに高いが、デザインセンスはイマイチで、立ち位置が中途半端な設計事務所の人・・・正直こういうタイプが一番苦労する(苦笑)

建築家が設計した建築とそれ以外の建築で何が違うのか?

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